2007年1月17日(水)晴れ

くつ磨きと心磨き

博多口駅を出た三井住友銀行がある角のところで、「ちょっと、ちょっとあんたずいぶん靴底減っているねぇ。」といって私は声を掛けられた。

この靴は韓国の友人から送ってもらったちょっと変わった靴で、ソールが円を描くように反っているのだ。それを見た靴磨きのおじさんが、私を呼び止めた。まぁ時間もあったし、靴を磨いてもらうことが好きなので、おじさんの前に立った。

駅構内すると、「ずいぶん、あんた歩いているんだね~。底もちゃんと張り替えやるよ。」

そういって、頼んでもいない靴底のリペアをしてくれながら、かつて若かった頃の話や、これまでの失態を私に話してくれた。

昔ちゃんと働いていなかったとかで、年金もなく、生活は大変らしい。

おじさんの決してきれいとはいいがたい仕上がりの値段は2000円。私は黙って、3000円を渡した。すると、おじさんは、「あんたわかってんねぇ。ありがとう。ありがとう。ありがとう。」といって何度もお礼を言ってくれた。

そして、私の姿が見えなくなるまで、私の背中に、大きな声で「あんた絶対に成功するように、頑張りなよ。」と繰り返して叫んでくれた。

そんなおじさんの声がなんとなく嬉しかった。

(署名)沼澤 拓也

  • 2007年1月29日(月)更新 「袖振り合うも多生の縁」の更新情報をRSSリーダーでチェックする