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もぐら通信 Vol.11
最初の一歩

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もぐら通信 vol.11
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〜 目の前に起こる出来事が最良の教材 〜

今回のテーマ:最初の一歩

月に1度、定期的に訪問させていただいているお客様がいます。
そのお客様では、全社的に営業日報の履歴管理を行っています。
目的は、直接やり取りをしている営業から、各ユーザーの声を集め、
それを材料に顧客サービスの向上や経営改革等に役立てるためです。

 しかし、この営業日報、約2年程前から導入していますが、中々、
営業社員の足並みが揃いません。進んでいる社員の方は、内容もまと
まっており、ポイントも明確で、読んでいる方も分り易い日報になって
います。その一方で、内容はおろか、毎月の訪問件数の1割程度しか
入力していない社員の方もいる状況です。

 そこで、なんとか入力が遅れている社員を底上げしようと、
個別にいろいろな話をしながら、各自目標を立て、次回までの達成を
約束しました。その中の一人で、Tさんという方がおります。
彼は、市内の営業が主で、エリアの特性上、直接お客様のところへ
行っても、話をする時間があまり取れないという事でした。
そして、今まではなぜ日報を残すのか、どんな内容を日報として入力
したらよいか分らない故、殆ど入力していませんでした。

 ところが、日報の目的や要点がクリアになり、まずは自分で出来る
範囲でやってみるという事になりました。そして、約束の1ヶ月後、
公約通り、5件の日報履歴が入力されておりました。

 中身を読んでみると、短い文章ではありましたが、そのユーザーさん
が今、どんな状況にあるのかがはっきりと分り、そして、そのユーザー
さんの顔が見えるような、そんな履歴でした。

 Tさんに、このことを伝えると、
「いやー、そうでっか。そんな褒めんといてください。次はもっとやら
なーあかんとなりますから。」
と、照れ隠しをしながら、続けてこう言いました。

「しかし、今回やってみて思うたんですが、日報に書こうと思って
ユーザーさんとこ行きますとね、これ聞いとこうかなと頭に浮かぶん
ですわ。それにユーザーさんが言うてたことが、頭に残りますわ。」

とても素直に、Tさんは話してくれました。

これは、やってみたから初めてわかった事だと思います。最初の
1、2件を書いている時、Tさんは、「こんなんでいいのかな・・・。」と
思っていたそうです。しかし、件数を増していくうちに自分なりに小さいな
工夫が生まれ、次はもっと良くしようという欲が出てきます。
そして、その小さな工夫やアイディアを実践し、何度も繰り返していくうちに、
段々と分ってきたそうです。

 たかが日報かもしれませんが、今までやらなかったことを始めるのは大変、
力が要ることです。しかし、やってみないとその本当の意味や価値を知ることも、
自分の物にすることも出来ません。どんなに周囲から良いといわれても、
自分で体験しなければ良きも悪きも知ることは出来ないのです。

 最初の一歩は、そんなところからだと思います。

 このTさんは、その最初の一歩がずっと踏み出せなかっただけで、能力が
なかった訳でも、時間が無かった訳でもないのです。

 では、この最初の一歩をどうやって踏み出すか、それは、少しでも、
下手でもいいからやってみる環境、チャンス、きっかけを作ることです。
そして、出来ればそれは、自分で決めることが何より望ましいと思います。

 Tさんの目標5件は、他の社員から比べれば、非常に少ない数値でした。
ですが、先月5件だったTさんにいきなり20件を求めてしまえば、
それは重荷にしかなりません。5件なら出来そうだと、Tさんが自身が
決めました。

 そして、その5件を達成した結果、数値以上の収穫を得たのです。恐らく、
その事に、本人はまだ気づいていないでしょう。

「次回は何件位できそうですか?」
と聞くと、Tさんは、
「そうですね、あんまり大きいことは言えませんが、8件位はやります。」
と、にっこり笑って約束してくれました。

 一つ階段を上ると次の階段が見えてくる。そしてまた一つ、一つと
昇っていく。最初、階段を見たときは、昇る事がしんどいな、どうやったら
昇れるかなと戸惑う。案外、一つやってみると、出来た喜びと、やり方を学ぶ。
そして自分のペースを掴み、次の目標が見えてくる。それが、最初の一歩だと
思います。

 このTさん、ちょっとしたおまけもあったそう。今までやっていなかった分、
周囲の注目度も高く、上司に褒められたとか。
「やっぱ褒められると嬉しいですな。やらなーあかんですわ。」

人なつこい顔がいっそうほころんで、こちらまで嬉しくなりました。

 小さい一歩でも、大事な一歩です。その最初の一歩を踏み出すと勇気と、
それを支える周囲の寛大さと根気を忘れないでいて欲しいものです。

−end −

※レポート部分のみを抜粋して掲載しております

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