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もぐら通信 vol.14 2004.09.21
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〜 目の前に起こる出来事が最良の教材 〜
先日、とある企業の社長さんと食事をする機会がありました。
話題の中心は会社のこと、とりわけ社員の話に至りました。
社員のある様子に苦心しているというのです。
それは、次のようなことでした。
新しい方針を打ち立て、部下に説明すると、その時は皆、
「はい、分かりました。」
と言います。しかし、期日が過ぎても進展が無いので、
「その後、どうしたか?」
と聞くと、また、
「はい、大丈夫です。分かりました。」
という返事が返って来ます。しかし、また何も進展がありません。
また、幾日が過ぎ、同じように確認すると、また先程と同じような
返事が返ってきます。この繰り返しだというのです。
伝え方がまずいのか、方針に異論があるのか、それとも理解してい
ないのか、理解はしているが行動に移せない何か障害があるのか、
それとも行動に移す実力が無いのか、はたまたこの会社や仕事が
好きではないのか・・・と、あれこれ推測してみましたが、らちが
あきません。
もちろん、社長さんとしてみれば、方針通り、即座に実行に移し、
実績を上げてもらうことが、一番の望みですが、それでなくとも、
出来ないのであればその事実を忠実に話してもらった方がいいと
感じています。しかしそれすら、どうして話してくれないのだろ
うかと。
部下の方からすれば、分かっているつもりでしょうし、”出来る”
と思っているのでしょう。しかし、頭で分かっていても、行動に
は移せないギャップが存在するのです。
これは何故か。
私は高校時代、苦手科目を真剣に取り組まず、担任の先生に、
「出来ると思っていて、やらないのは出来ないのと同じだ。」
と言われ、とてもショックだった事を覚えています。
それは、自分では”出来るはずだ”と思いながら現実逃避して
いた自分を突きつけられてしまったからです。
人は自分が一番可愛いから、自分は”出来る”と思いたいですし、
他人にも良く見られたいものです。それ故、出来ない自分、行動
に移せない自分から目を反らしてしまうのです。こうなってしま
うと、もう頭と心と体がバラバラになってしまっているのです。
理解していると思っている頭、でも実行に移せない体、それを認
めない心とでは、何も前へ進んでいきません。そして、それだけ
でなく、相手に任せた立場の方も、相手を信じて任せたわけです
から、きちんと意思表示をして貰わなければ手助けすることも出
来ず、結果として全体に大きなマイナス影響を与えてしまうのです。
ですから、自分が出来ないこと、知らないことは、虚勢を張って、
知っている振りをしたり、出来ると簡単に請負ってもいけないの
です。
人は何かを実現しようとした時、自動的にその達成すべきイメージ
が具体的に浮かび、必要な条件は何かおおよそ見当が付き、自分は
何をすべきか、そして、誰に協力してもらえば良いか等の考えが及
んでいるものだと思います。しかし、そうなるには、いくら人から
見聞きし、疑似体験をしていたとしても、実体験の中で失敗したり
傷付いたりしながら、体で覚えていないと、なかなか難しいものです。
だからと言って、出来ない自分を認め何もせずに引き下がれば良い
いう訳ではありません。自分が知らないこと、現時点では出来ない
事実を潔く認め、周囲にもそれを理解して貰い、では、どうしたら
それが達成出来るかを一緒に考え、自らチャレンジしていく環境に
飛び込むことです。
このことがようやく分かってきたのは、私自身、だいぶ後になって
からです。20代の大部分をお世話になった大先輩が、私にいつも
言ってくれた言葉を思い出します。
”2つ道があったら、厳しい方を選ぶようにしたほうがいいよ。”
まさに、こういうことだと。
わざわざ余計なことをしろということでなくて、自分にとって
ちょっと厳しいかな、チャレンジかなと思う方を選ぶということ
です。そうすることが自分を鍛えることだと。
個人としては、いかなる環境でもちょっと大変だなと思う位の訓練
をしながら、自分を鍛えていくことを忘れてはいけないでしょうし、
また、何かを任せる立場にある人は、相手の何が出来て、何が出来
ないかを把握しながら、一緒に取り組んで行く姿勢を、常に持ちな
がら臨んでいくしか、打開策はないのかも知れません。
こんな話をしながら、これまでの様々な失敗から得た私なりの
”気付き”を伝えると、
「そうだね。」
と、この社長さんは大きく頷いて、何度も首を立てに振っていました。
そう人に言いながら、実は繰り返し自分自身に言い聞かせていたのです。
皆さんは、いかがでしょうか。
−end −
※レポート部分のみを抜粋して掲載しております
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