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もぐら通信 vol.15 2004.10.21
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〜 目の前に起こる出来事が最良の教材 〜
先日、某システム系の会社さんからヒアリングの依頼を頂いた時の
話です。
この会社の社長さんは、社長就任1年余りですが、これまでの様々な
古い慣習を改め、新しい風を送り込もうとあらゆる面において、改革の
真最中でした。
実は、ある繋がりからこの社長さんとお会いすることになり、
今回に至った訳ですが、この繋がりをどう作っていくかという点
が営業面で非常に有効であるとご判断いただきました。ならば、
何かお役に立てるのではないかと、さらに会社内の状況を詳しく
お聞きすることになりました。
今回は、営業部門と関連部門の方々数名に、いろいろと率直に
お話を伺いました。すると、ある課題が浮かび上がって来たのです。
どうやら、現場の営業社員は、新規のお客様対応から納期の調整、
納品後の保守等々で、日々目まぐるしく、あまりの忙しさに売上が
上がっても疲れきってしまい、辞めてしまう営業社員も少なくない
状況だというのです。
そこで、これまでの営業業務を見直し、とりわけ新規の潜在的な
お客様をフォローする営業支援部隊を作ることを提案しました。
この内容に社長さんは共鳴し、是非、会社の仕組みとして取り
入れたいと考えました。社長以下、上層部のメンバーとも意見が
一致しました。
具体的に実現するにあたり、業務内容を決め、担当する部署を設定し
会社の仕組みとして運用出来る体制を作らなければなりません。
リソースは既存社員でということが、前提条件でした。
すると、まず、どの部署がその機能を担うべきかという議題に
及びました。オープンな雰囲気の社長さんでしたので、『案論ずる
より産むが易し』ということで、早速、社員の現状を良く知る各部門
のマネージャーさんに意見を聞いてみることにしました。
これまでの経緯と、新しい取り組みに対する概要を説明すると、
某部署のAさんは、次のように言いました。
「とても面白い試みだし、これからお客様をもっと増やしていくため
にはとても重要なことだと思います。」
ならばと、
「では、もし仮にあなたの部署で行うとすれば、いかがでしょう?」
と尋ねると、
「私達の部署は購入後のアフターの部分を対応していますので、
そういった点ではお客様と接する部署ではありますが、エンジニアが多く、
営業畑の人間ではないので、なぜ営業的な業務をするのかという疑問や、
また拒否反応を示すことが予想されます。」
と。
また、別の部署のBさんは、
「この会社にとって必要なことだと思います。そうですね、近い機能を担って
いるのがマーケティング部だと思います。ですからマーケティング部が現組織
では相応しいかなと思います。しかし、マーケティング部の方にも聞いてみな
いと、何とも言えませんが・・・。」
と。
そして、営業部のCさんは、
「営業にも、営業秘書といって営業の事務処理的な業務をしている
社員がおりますが、見積作成を依頼しただけでも悲鳴を上げている位
ですから、現時点で営業チームから選出するのは困難ですね。」
という意見でした。
実際、どの部署で、誰が行うかとなると、皆、頭をもたげて
しまいました。
そこで、私がもう一度、
「では、必要ではないことですか?価値のないことですか?」
と問うと、
「仕組みとしては必要なことだ、価値あることだ、やった方が
いい。」
と、皆さん、口を揃えて言うのです。
この状況を、ちょっと例え話にしますと、監督はやる気満々で、
ユニフォームを着て、既にベンチ入りしています。しかし、
グラウンドには誰もいません。私も外部の人間ながらFAで参加
することになり、ユニフォームを着て、みんなにやろうと声を
掛けます。
しかし、肝心なチームメイトはネット越しのスタンドに陣取り、
「いいぞー、いいぞー」、
「やれ!、やれ!」
と、はやし立てています。
私は、スタンドに向って、
「いや、そうではなくて、やるのは皆さんなんですよ!!」
と返すと、チームメイト達は、慌てて、周りを見回し、
「いやー、私は今の仕事が手一杯ですから」
「私より、あちらの方の方がいいんじゃないかしら」
「野球なんてとんでもない、ボールも持ったことないですし、
無理ですよ。」
と言って、一向にグラウンドへ降りて来ようとはしないのです。
これではゲームになりません。
”私の部署は、こうだから、私の仕事はこうだから・・・”
いわゆるセクショナリズムでしょうか。こうなってしまっては
何も解決しません。それ以前に、困っているのは、他の誰でも
ない、あなたの会社のことなのです。
しかし、実際、始めようとすると、それまではあれこれ意見を
言っていた人も、つい当事者意識を忘れ、”誰かがやってくれ
れば”というスタンスに切り替わってしまうのです。
この厳しい経済環境の下、会社という組織の中で働いている
以上、暇を持て余している人は基本的にはいないはずです。
皆大変ですし、忙しいのです。それでも更なる発展を
遂げ、利潤を追求していくことが会社の姿でもあります。
そのため、常にその時代時代に合わせ、変化していかなければ
なりません。もちろん、それは皆さんも十分、ご承知のことで
しょう。
ことさら、人事はとても難しい問題ですし、誰でも良いという
訳にもいかないというのもよく分かります。それでも、”今の
ままでは今のまま”です。肝心なのは”誰がやるかではなく、
いかにどうやるか”だと思うのです。
かつて、ある人にこう教えて頂いたことがあります。
『リーダーの条件はキャリアでもスキルでもない、”私やります”
というその自発的な意志を持っていること、それ唯ひとつ』であると。
限られたリソース、環境の中で決めなければならないことは明確です。
そして、押し付けや決定事項だからではなく、自発的に、能動的に
実践されなければ、どんなに素晴らしい施策でも本当の成果が上がら
ないのではないでしょうか。
Aさんが言いました。
「いわゆる営業の下働き的な業務になるでしょうから、反発や
抵抗が出ないよう、実際、当社で行なう場合、社員の意識改革が
必要だと思います。」
社員の中にはもちろんAさんも入っています。
私は、思い切ってこう言いました。
「では、まず営業やその関連部門の社員全員に、今回の施策に
対し、説明をしましょう。そこでの皆さんの意見をいただき、結果
検討して行きましょう。」
私は、何か名案が浮かんだ訳ではありません。
ただ、会社の現状をもう一度、社員全体で共有し、当事者として
今何を成すべきかを一緒に考えるしかない、と思ったのです。
そして願わくば、”はい、私やります”と手が挙がることを期待
して。
来月初旬、いよいよ、その会が開かれます。結果はいかに・・・。
〜後編へ続く。
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※レポート部分のみを抜粋して掲載しております
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