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もぐら通信 vol.26 2005.09.21
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〜 目の前に起こる出来事が最良の教材 〜
「それでね、早くその段階に行ければいいなと思うんですよ。」
つい先日、ある会社の社長さんとランチを取りながら、話していた
時のことでした。
この会社さんは、営業が日報という形で日々の活動状況を報告して
いました。そこには営業活動全般だけでなく、顧客の反応、要望など
次のビジネスにつながる種が含まれていました。
しかし、これらの情報は基本的には上長への報告業務で、細かい情
報は担当者の中でクローズされていることが多く、また他の社員間
での共有が図れていなかったため、結果的に各担当任せの営業になっ
ていました。
それを一新し、情報をデータ化し、社内で共有することで、担当者同士の横
のつながりを強化したり、もっと先行的に情報を管理し、会社の仕組
みとして顧客を作っていけるよう、新たな取り組みを始めたばかりで
した。
先日訪問した際、営業担当の社員を中心に、今回の趣旨を説明しなが
ら、具体的な段取りや情報の残し方、またそれらの情報を残す箱とな
るデータベースの操作説明などを行ないました。当日、参加された社
員の間には、この取り組みへの理解度の差やパソコンスキル問題など
があり、まだまだ足並みを揃えることがやっとでした。
そんな中、社長さんは早く情報を一元化し、そこから各顧客層への
アクションプランを練って、実行し、売上を増やしたい、そしてその
結果、新たに営業人員を補充し、さらなる売上拡大へつなげげたいと
いう想いがあり、冒頭のような発言に至りました。
もちろん、その想いに、私も異論はありませんでした。
しかし、しかしなのです。
現段階は、これから情報をデータ化し、共有する準備が整いつつあ
るところです。何より、現場の状況は前述の通りです。
もちろん、最終形をイメージすることは当然必要です。私もその目
指すべきところのイメージのもと、そこへ辿りつく道を共有し、まず
実行すべきことを進めさせていただいているところでした。ですから、
社長さんの発言に、私として相違はありませんでした。
ただ、一つ言えることは、『物には順序がある』ということです。
これを忘れてしまうと、継続できることも継続しがたくなってしま
います。出来るだけ最短距離で進めることができれば、それに越した
ことはありません。私もそのための努力をしていくつもりでいます。
ですが、どんなに急いでも、闇雲に突っ走って、失速してしまって
は元も子もないと思うのです。
現場の社員にとってみれば、今までの慣れ親しんだやり方を変える
わけですから、最初は抵抗もありますし、単純に体が慣れていないの
で、頭で理解しても起動に乗るまでには有る程度の時間が必要です。
現状を踏まえた上で、その辺をクリアしていきながら、少しずつステ
ップアップし、最終成果へ近づけていくしかないのではないでしょう
か。
そんな時間はない、社員を一掃してでも断行するというのであれば、
また話は別ですが、今度はまた違った問題が立ちはだかりますので、
結局のところ、あまり変わりはないと思うのです。
このことは、実は、この社長さんも良くわかっているのです。わか
っているけど、つい先走る気持ちが出てきます。それが経営者ですし、
そうでなければ、会社のトップは務まらないのでしょう。
『急いては事を仕損じる』という諺もありますが、これは、決しての
んびりやることではなく、着実に土台をつくっていくために、ある一
定期間、先のことを念頭に置きつつも、目の前のことに集中すること
です。そうすれば、土台がしっかりでき、確実に次のステップのバネ
になります。
「ぴょーンといきなりあそこにはいきません。現在地はここですから、
次回はここまで、そして次は・・・というように、段階を追っ
てやっていきましょう。」
と話すと、社長さんは、ウンウンと自分に言い聞かせるようにうなず
きながら、お弁当の煮物を口に運んでいました。
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※レポート部分のみを抜粋して掲載しております
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