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もぐら通信 vol.28 2005.11.20
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〜 目の前に起こる出来事が最良の教材 〜
”あっち向いてホイ、こっち向いてホイ・・・。”
そんな姿が嘘のように、Oさんは淡々と現状を話し始めました。
山口県にある会社さんでのことです。こちらでは、運送に関する業務を
行なう運輸部と海外の輸出入に関する通関業務を行なう国際部があります
が、どちらの部門もドライバーや通関手続きを行なう実務的な人員の比重
が多く、営業として確保できる人員には数限りがありました。
とはいえ、少ない人員でも営業活動を充実させていかなければ、仕事は
減少してしまいます。特に運輸は、元請け、下請け、孫請け、ひ孫請け・
・・と、いくつもの階層があり、下にいけばいくほど利益確保が難くなっ
てきます。
そんな状況を打破しようと、少ない人員でも収益を高められるよう、
”1対n”で営業できる、そんな仕組みを作ろうと、今年の8月から営業
改革がスタートしました。
各部門から集まった中心メンバーには、様々な思いがありました。危機感
を持って前向きに取り組もうと真剣に考える人、どうにしかしなくてはと思
いつつ、現業務のことばかり頭に浮かび、出来ない理由を考えてしまう人な
どです。
国際部からはリーダー格の2人が選出されました。実は、ちょうど数ヶ
月前から国際部のトップが東京進出で本社を離れていました。ですから実
質、この2人が部を引っ張っていかなければならない立場になっていまし
た。
このうち1人は営業を主に行なっていましたが、もう1人のOさんは、
通関の実業務や部門の取りまとめをしており営業活動は行なっていません
でした。営業改革の話を受けて、今後の取り組みについてとディスカッシ
ョンをしても、まだこの時、Oさんは傍観者的なスタンスでした。
ところが、状況は否応なしに一変してしまいます。
今度は、国際部のもう一人のAさんが輸出入先の業務の強化のために
現地の中国へ駐在するという話が浮上してきたのです。国際部の本社スタッ
フとして、もはやOさんが改革の矢面に立たなければならない状況になって
しまいました。
10月の打合せでは、頼りのAさんもいませんでしたので、全てはOさん
に掛かっていました。推し進めなければならない内容も決まり、あとはOさ
んの気持ち一つです。Oさんの気持ちも手に取るようにわかります。他の部
門のメンバーが協力すると言ってくれました。Oさん自身も自分以外に誰も
いないことは十分わかっていましたが、それでも、逃げ道を探して、
”あっち向いてホイ、こっち向いてホイ・・・。”をしばらく続けていまし
た。
私達は、目標、期日、そして実践するという意思をOさん自らに決めて
いただくまで、時間を掛けて話し合いました。
そして、少し高揚した面持ちで、
「わかりました。なんとかやれるとこまでやってみます。」
と、小さな声で答えました。
そして、11月の半ばを過ぎ、再び私達は山口へ飛びました。
今回は、2ヶ月ぶりにAさんも同席できました。中国行きは延びたよう
ですが、対応に追われていたAさんは、Oさんに全部任せていたようです。
そして、Oさんからここ1ヶ月の活動状況をお聞きしました。
すると、どうでしょう。Oさんは通常業務をまっとうしながら、同じ部
門のメンバーへ指示をし、手分けして営業活動も行ない、その結果として
1件の可能性を導き出してきました。そしてその活動内容もきちんとデータ
として残していました。さらに、活動を通して見えてきた課題や改善され
た事柄、また同じ部門の意識が向上したことも報告してくれたのです。
これを聞いたAさんは、
「いやー、嬉しいな。俺一人じゃこんなできんけん、みんなでやって
くれたんだ。すごいな。」
と、Oさんに労いの言葉をかけました。
ついこの前までは、既存の業務で手一杯で営業に行く時間はないと、
言い張っていたOさんが、まるで別人のようです。
しかし、これは、人に決められた結果ではなく、Oさんが”やる”と自分
で決めた結果なのです。
このことが功を奏したのか、10月の売上は、国際部始まって以来の
最高記録を達成したとか。
一体、何がOさんを変えたのでしょうか。
それは、たった一つです。Oさん自身が自分で決めたことです。
自分で目標を決めて、自分で出来ることは何か、どうしたら実現できる
かを考えて、実行しただけなのです。
進み始めてみれば、みんなが協力してくれることも、自分で不可能
だと思っていたことが不可能でなかったことも、今はOさん自身が感
じているはずです。そしてそれがOさんの自信にもつながり、前向き
に取り組んでいる姿が周囲にも映っていました。
そして、
「実は、全体会議の場でも、社長にお褒めの言葉をいただきました。」
と照れくさそうにOさんが、話してくれました。
Oさんを取り巻く、プラスの循環が起こってきました。
他人はきっかけを与えることはできても、代わりになることはできま
せん。そして、人から与えられた目標は、あくまでも他人のものです。
目標を決めるのも自分であれば、実践するのも自分、そして、その結果
を受け取ることができるのも自分なのです。
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※レポート部分のみを抜粋して掲載しております
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