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もぐら通信 Vol.33
自分のレベルが上がれば、付き合う人のレベルも上がる

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もぐら通信 vol.33            2006.04.21
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  〜 目の前に起こる出来事が最良の教材 〜

■今回のテーマ:
自分のレベルが上がれば、付き合う人のレベルも上がる

「いやー、やっぱり違うなぁ。レベルの違いを感じました。」

 出張中のホテルまでの帰り道、部下がやや興奮気味に切り出しました。

「あの、さっきの会議ですが、途中ちょっと頭がついていけなくなりそう
な場面もあって、他の皆さんは頭の回転が速いというか、なんかもっと大
きな視点で考えているというか、とにかく自分とのレベルの違いを感じま
した。」

 つい先ほどまで、客先で会議があったのですが、そこでどうやら何かを
感じたようです。

「やっぱり、ああじゃなくっちゃあのポジションにはいないでしょうし、
やっぱり大手さんはそれなりの人が集まっているっていうことなんでしょう
かね。でも、そういう人たちとも一緒に仕事をさせてもらうには、もっと
自分のレベルを上げていかないといけないなって、凄く感じたんですよ。」

「そう。ところで、君の言うレベルってどういうこと?」

私は、部下のレベルという言葉がちょっと引っかかりました。会社の看板
とか、知識とかそういうことを言っているような気がしたからです。

この問いに、彼女はこう答えました。

「いや、自分はですよ、今までどこかで逃げていたような気がするんです。
自分なんか、ただの下っ端だからわからなくてもいいやとか、業務だけ精
一杯やれば良いというか、なんか自分ができることだけやっていればそれ
で良いと思っていた節があるんじゃないかって。でも、さっきのような人
達と仕事をしていくには、それじゃ駄目だって思ったんです。」

 自分ができることを精一杯やるということは、とても大事なことですし、
それなくして成長も何もないと常々考え、部下にもそう伝えてきました。
それに、今の自分ができないことをやろうとしてもそれは無理な話です。
私は、彼女が何を言いたいのか、どうしたいのか、わからず、何か府に
落ちない気分でした。

 

 この部下は、私の元で仕事をするようになってから8年の月日が経とう
としていました。私が独立する前の会社へ新卒で入ってきたのが始まりで
す。たまたま同郷ということがきっかけで、私の部署に配属されることに
なりました。

 彼女は負けず嫌いの性格で、入社当時も各部署の新入社員が発表する際
に、部署からは彼女が壇上に立ちましたが、私が途中で助っ人に入ったこ
とを悔しがり、発表の後、号泣したほどでした。

 私が独立してからも仕事のパートナーとして、これまで様々な局面を
一緒に乗り越えてきました。お客様の要求の高さに途中で諦めそうにな
った時も、もう少し頑張ってみようの一言で向かってきてくれたのも彼
女でした。徹夜続きのある日、間違えて右と左、違う靴を履いて客先へ
やってくる、そんな部下でした。

 ですから、今の会社の弱さや足りなさを感じながらも、他の会社には
ない何かを作っていく、それはいわゆる自分ができることを精一杯やり
続けることでしかないと彼女もそう信じているはずと思っていました。

 私はまだ、彼女が何を言いたいのかわからずにいました。すると、

「自分が出来ることを精一杯やるということは当然です。それが一番
大事です。自分が出来ないことをやるのは不可能ですし、できる振り
をしたところで、それは意味のないことです。劣等感や虚栄心を感じ
たわけじゃないですよ。」

と、伝えたいことが伝わらないせいか、いつもの性分が出て、口調が
強くなっていました。そして、

「自分が出来ないことをやろうとなんて思っていません。ただ、自分も
さっきの会議であったような視点でもっとお客様に提案できるようにな
らなくちゃいけない、単なる傍聴者じゃなくて、あの人達と一緒に、対
等に仕事ができるようになりたいって思ったんです。

 それには、今の自分で満足しちゃいけない、もっともっといろんな経
験をし、努力しなくちゃいけないということを感じたんです。そんな風に
感じれる機会をもらえてすごく、今、嬉しいんです。」
と。

 私は、ホッとしました。大事なものを忘れていないかと少し心配に
なったからです。そんな私を察してか、彼女は、加えて言いました。

「大丈夫です。知識だけで固めようとか、インテリぶろうとなんて、
そんなことは思っていません。自分よりも上の人達はたくさんいますけ
ど、今まではいるということだけは知っていました。しかし、そういう
レベルの高い人達と仕事をさせていただく機会があまりなかったので、
実感としてなかったし、現実的にはどのくらい上か見えていなかったん
です。今は少し見えたので、そこを目指したいなと。」

どうやら、その感動を伝えたかったらしいのでした。そこで私は彼女に
一言、プレゼントしました。

「自分のレベルが上がれば、付き合う人のレベルは上がるよ。自分が成
長しているかどうかは、自分の付き合っている人を見ればわかる。昔に
比べたら少し成長した証なんじゃないかな。これからも常に自分を磨い
ていけばいいと思うよ。」

 

 こう伝えると、彼女は笑顔に戻って、柔らかな春の日差しの博多路
を歩いて行くのでした。

−end −

※レポート部分のみを抜粋して掲載しております

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