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もぐら通信 Vol.35
三歩進んで二歩下がる

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もぐら通信 vol.35            2006.06.23
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  〜 目の前に起こる出来事が最良の教材 〜

■今回のテーマ:三歩進んで二歩下がる

 一日一歩 三日で三歩
 三歩歩いて二歩下がる
 人生は・・・

 これは、お馴染の「365歩のマーチ」の一節ですが、実に現場はこの通
りだなと、つくづく感じることがあります。

 つい先日も、こんな会話になりました。

 約二年前から、ある会社の新しい営業の仕組み作りのお手伝いをしていまし
たが、先方の担当の方とこれまでを振り返っていました。

すると、担当のTさんは、
「やっぱりかかるものはかかりますね。『効率化しろ』と言われても、正直、
そんな手段はありません。今はネットやコールセンターだけで受注するとい
手法もありますが、最終的に商売は人と人とがするものですからね。ある意
味、二十年前の営業に回帰していくことも必要かなとも思っています。まぁ
色々やってみて、ある程度今後はどうしていったらよいか自分なりの方向
性も見えてきました・・・。」
と言いました。

 この会社では、Tさんの頑張りもあって、新しい営業の仕組みが出来つつ
ありました。まだまだ十分とはいえませんが、下期には大きな成果が期待で
きそうな状態まできました。

 これまでの道のりは決して平坦な道ではなく、少し進んだと思えばまた次
の課題が現れ、それを乗り越えたと思えばまた別の・・・、三歩進んでは二
歩戻される、そんな日々でもありました。

 今回の仕組みは、決して画期的でも、急激に成果が出るものでもありませ
ん。しかし、一つ一つのプロセスをきちんと踏み、顧客の立場に立った営業
手法でした。とりわけ、顧客の生の声を大事にし、その声を集めることに一
定の時間もかかりましたし、そうして集まった声をどう営業活動へ展開する
かにも知恵が必要でした。

 しかし、そうした地道な積み重ねの結果、むやみやたらにローラー*するこ
ともなくなり、営業一個人にすべてを委ねることなく、会社の仕組みとして
営業展開できるようになってきたのです。

 

 そんなTさんの言葉を聞きながら、私はYさんの会社を思い浮かべていまいした。

 Yさんの会社も同じように約半年前ほどから、営業改革への道を歩み始め
ていました。上層部を説得し、メンバーをアサインし、プロジェクトスター
トまでなんとか漕ぎ着けました。

 しかし、いざスタートしてみると、様々な問題がやってきます。

 現場からは、様々な情報が上がってきていましたがこれを取りまとめて、
指示を出す人間がおらず、現場担当者から悲鳴が上がりました。果たしてど
うしたらよいものかと思案していると、そんな状態を見かねたある部下が名
乗りを上げてくれました。お陰で船はまた再び進み始めたのですが、数ヶ月
すると、当初の勢いはどこへ行ってしまったか、この部下は段々と影を潜め
ていきました。

 これまたどうしたものかと、考えながらも、漕ぎ出した船を止めるわけに
はいきません。そうだ、これはプロジェクトメンバーだけでなく、もっと部
署全体で実行し、誰かではなく、みんなで盛り上げていこうと、趣旨を部内
全体に説明し、環境も整え、再び大きく舵を取り直しました。

 当然ですが、それでも全員が賛同し、同じ気持ちで参加してくれるわけで
もありませんでした。また、他の業務を抱えつつのことですから、当初から
参加しているメンバーも現業務に時間が取られて、なかなか加速することも
出来ない状況もやってきました。それでも、諦めず、進めていくうちに成果
が少しずつ出てくるようになりました。そして、今度は別の営業がこの手法
に理解を示し、今では当初のプロジェクトメンバー顔負けに、協力してくれ
るようになりました。

 嬉しい反面、どうにかこうにか進んでいる状態を苦笑いしながら話してく
れたYさんの顔が印象的でした。

 まさに、三歩進んで、二歩下がるという言葉がぴったりです。

しかし、他にもっと良いやり方があれば、私も教えを請いたいところですが、
私の経験上からいってもそうそうウマイ話はなく、その局面、局面で出来る
限りのことをやるしかないのです。

 でもこれは、私はとても重要なことだと思っています。なかなかうまくい
かないからこそ、簡単には崩れない仕組みが出来るものだと思います。同じ
ことが起こったときどう対処すればいいのか、分かる自分がいます。

 もちろん、いつまでものんびりやって良いということではありません。
しかし、その時その時でベストを尽くし、前を向いて進もうとしている訳です
から、これは決してマイナスではないと思います。結局のところ、三歩進んで
二歩下がっても、一歩ずつ進んでいるのですから、その下がった二歩だけを見
るのではなく、確固たる一歩と考え、その貴重な一歩を確実に積み重ねていく
ことしかないのではないでしょうか。

 冒頭の「365歩のマーチ」でも
   あなたがつけた足跡にゃ 綺麗な花が咲くでしょう
という歌詞が後に続きます。

 綺麗な花咲くその日まで、前を向いて歩き続けた時に、確かな道が
出来ているものです。

*ローラー:ローラーをかけるようにしらみつぶしに当たるやり方
       ローラー作戦などという。

−end −

※レポート部分のみを抜粋して掲載しております

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