
インサイドセールス誕生秘話
一人の営業がお客様との接点づくりから、見込客のフォロー、そして、注文後のフォローの全てを行いながら、売上を増やすことができるでしょうか。相当の腕の良い、要領の良い営業社員なら可能かも知れませんが、それでもやがて限界がやってきます。
かつて、半導体商社の営業時代の私もそうでした。売上目標を達成できた喜びは、だんだん恐怖へと変わっていきます。これが達成できたら、来年はどれだけ上乗せされるのだろうかと・・・。
営業の悲鳴から生まれた・・・インサイドセールス
そのような中、顧客との接点づくりや見込客のフォローを営業以外のスタッフで対応できないかと苦肉の策で始めたのがインサイドセールスでした。
内勤のスタッフに、はじめはちょっとした見積の到着確認や現状を少し尋ねる程度のお電話をしてもらいました。そして、その結果をまた顧客カルテへ入力してもらい、訪問から帰ってきたその足で、顧客カルテの確認を行う。そんな活動を数カ月繰り返していると、どのお客様がいつ頃注文になりそうか、注文の可能性があるのかがジワジワっとわかるようになってきたのです。
将来のお客様を育てるインサイドセールスとの連携により、私は可能性の高いお客様を中心にフォローすることで、次の売上目標を達成することができました。つまり、これは、営業が本来すべき商談活動をたくさんできる状態が作れたことを意味していました。
マーケットを作り出すインサイドセールス
はじめは営業に指示されるまま、その都度その都度のお客様対応をしていたインサイドセールスでしたが、対応するお客様の数の増加や経験値、そして営業からの期待値が高まるにつれ、顧客カルテに登録されている全体のお客様を大きな枠組みで考えはじめるようになります。
展示会で名刺交換したり、来場者アンケートで集まったりした顧客情報をすぐ営業に渡すのではなく、関連がありそうなのかそうでないのか、すぐなのか将来的に必要なのか、自分が使うのか関連の部署が使うのかなど、最低限営業が情報としてあると役立つことは何かを考え、そして、それらの情報をどのようにして確認するかなどを自ら企画するようになってきたのです。
さらには、企画にのっとって実行された結果によって、お客様を分類し、分類されたお客様が興味を持ってもらえるよう、そのお客様の興味分野を把握し、その連絡手段やタイミングまでもが誰もがわかるように情報を管理・運用する情報営業集団として、さらに精鋭されてきました。つまり、見込客も含めた顧客データベースを構築し、それをメンテナンスからセールスプロモーション、見込客の発掘やeメールでのニュース配信、セミナーの告知・集客・エントリーにまで活用できる仕組みへ発展させたということでしょう。
インサイドセールスは組織営業、そしてCRMに!
そしてこのインサイドセールスによって、整備された顧客情報は、全社員で共有し、営業・インサイドセールス・マーケティング(セミナ企画)などと連携を図り、それぞれが最大のパフォーマンスを発揮できるような組織へと進化していったのです。今でいう、データベースマーケティング、またはCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント) といった機能を果たしていたのです。
この結果は、半導体商社が店頭公開を果たしたことを機に、各種メディアで取り上げられるようになりましたが、そこに至るまでの過程は、本当に手探りで、いつも顧客カルテと営業の話を見比べながら、試行錯誤の連続でした。
しかし、決して無理をするわけではなく、お客様の声を聞くことに重きを置き、それにさりげなく応えていくことで積み上げてきた結果だったのです。インサイドセールスにとってのお客様とは、エンドユーザーはもちろんのこと、営業の第一線で活躍する営業社員です。それぞれの立場を理解し、そのリクエストに応え続けていくかをあきらめずに実現しつづけてきた結果が、今あるインサイドセールスなのです。




