【Vol.4】 続けなければダメなんです

メールマガジン

もう3年前になりますが、某メーカーさんの支援をさせていただいたことがあります。当時、インサイドセールスの立ち上げプロジェクトのリーダーであり、現在もこの仕組みの中心で活躍されているOさんに、久しぶりにお会いしました。

 Oさんの会社では、直販の他、代理店販売を行っており、Oさんの部門はこれらの販売店向けに営業支援をしていました。そこでのOさんのミッションは、中堅中小マーケットにおけるビジネスの拡大であり、そのために販売店と協力しながら、新規のビジネスチャンスをいかにつくっていくか、というものでした。

 過去、Oさんも直販部門にいた頃の経験からも、企業数が圧倒的に多いこのマーケットでは、今まで以上に営業の効率化を図らねばならないと痛感していました。そんな時、インサイドセールスを知り、その必要性を強く感じたそう です。

  私たちが支援させていただいた1年半をふりかえりつつ、その後の経過や現在のインサイドセールスの状況について伺うと、多少の人員の入替えはあるものの体制面や方法論としては大きな変化はなく、今も粛々とインサイドセールスを続けているとのことでした。

 そんな中、変わったことといえば、インサイドセールスは、営業部門だけでなく、マーケティング部門やweb関連のプロモーション部門と連携することが増え、関わる部門が以前よりも多くなったそうです。そして各部門でのナレッジを持ち寄り、いかにしてビジネスが生まれやすい土壌をつくるか、以前よりも大きなスケールで動き始めているとのことでした。

 それよりも、一番の変化はインサイドセールスに対する社内の目、営業社員の意識だそうです。

 以前は、インサイドセールスは案件を作ることを期待されている傾向が強いようでした。もちろんそれはインサイドセールスとしても最終的に目指すところですが、それはあくまで営業の存在があってのことです。インサイドセールスの力だけで為し得ることではありません。これは、Oさんの会社だけではありません。往々にしてインサイドセールスを導入すれば案件が増え、営業はそれを待っていれば良いのだろうと思い違いをしてしまうのです。

 しかしながら、ここ最近はやっと営業がインサイドセールスの本来の姿を理解してもらえて来たようだとOさんは言っていました。インサイドセールスは、これまでの営業手法にとって変わるものではなく、営業が本来の営業(=商談活動)を行えるよう支援する手法として営業が主体となって活用するものだということです。

  ですから営業は自分の担当する顧客やマーケットに対して営業ストーリーや具体的な目標も含めてインサイドセールスと共有することが前提であり、またそれを双方が同じベクトルの中でどう立ち回るかを共に考え、実践していくことなのです。

 こうして、インサイドセールスの活用についてコツを掴んできた営業部門からインサイドセールスへ新しい依頼がやってきました。最近、注目されている環境をまつわるビジネスを増やしていきたいが、何も手がかりがないので、キーマンを把握するところから手伝って欲しいとのことでした。

 営業からの命題を受け、インサイドセールスがこれまでのノウハウを活かし、アプローチした結果、対象の55%の企業でキーマンを判明することができました。この結果に営業は多いに喜び、新しいビジネスでの活路を見出すことができたのです。

  実は、インサイドセールスは、もう一人の営業としばしばいわれますが、元になる営業があってのもう一人なのです。

  ここに至るまでには、決して平坦な道のりではありませんでした。しかし、インサイドセールスが継続的にアプローチしている顧客には、営業がアポイントし易いことや、ドタキャンされることも殆どないことなどから、営業が徐々にインサイドセールスの効果を実感していったのです。

  つまり、インサイドセールスは案件を作るのではなく、営業活動をし易くし、その結果として案件を作り易い環境をつくる手法であること、そして、インサイドセールスで得られた情報をどのように活用し、自分の営業に役立てるかがポイントであるということに営業は気づきはじめたのです。

 Oさんに、これからもインサイドセールスは継続されますかという質問すると、「インサイドセールスは続けなければダメなんです。」と、変わらぬ冷静さを持ちながら、そっと熱く語ってくださいました。それは、Oさん含め、営業にとってインサイドセールスが分身となり始めたことを意味し、今まで出来なかったことが実現し始めているからではないでしょうか。