【Vol.7】 お客様を創るということ

メールマガジン

 営業の仕事は何ですか、と聞かれたらなんと答えますか。

先日、某高校で営業という仕事と弊社が行っている営業支援について講義を行いました。学校側の狙いとしては、キャリアデザインとでもいいましょうか、高校生に仕事や働くことについて考えてもらう機会を早い段階から作り、今後の進路に役立ててもらうためです。

 講義を行う前にアンケートで「営業とはどのような仕事をイメージしますか」と質問したところ、「いろんな会社を回っている」、「ぺこぺこしている」、「売り込む」という回答が目立ちました。しかし、講義が終わった後のアンケートでは、「会社に利益をもたらす重要な仕事ということがわかった」、「買ってもらうために企業はいろいろ考えて工夫している」、「面白そう、やってみたい」、「営業って難しいなと思った」等の回答が出てきました。これは、単なる現象から組織での役割やその重要性を理解した結果によるイメージの変化だと思います。

 この講義後のアンケートの回答は、ある種、営業の本質をついているなとも思いました。営業がビジネスチャンスを作り、契約し、最終的に商品やサービスを提供した対価として売り上げが立つわけですが、営業がその担い手であることは間違いありません。また、マーケティングや様々な努力を重ね、少しでもその反響が大きくなるよう工夫しているのも事実です。また、営業は面白くも難しくもあるものですね。

 今、その営業の現場が変わろうとしています。

以前は、高校生のイメージの通り、とにかく足しげく客先へ通うことが美徳で、「イスを温めているようでは売上が上がらない」などと激を飛ばす上司が1人や2人は部署にいたはずです。そして、営業は飛び込み訪問とかローラー作戦といったいわゆるアポなしの訪問をし、いきなり商品の話をする。もちろん門前払いも承知の上だが、数打ちゃ当たる的発想なので、とにかく1日何十件もの会社へ訪問するような営業スタイルが横行していました。

 今はセキュリティやコンプライアンスの問題もあってか、こうした営業スタイルはだいぶ少なくなってきたと思います。またそれ以前に、こうした営業活動では、売上が上がらなくなってきたという証だと思います。

市場が成熟し、競争も増え、そして昨今の経済不況の中、企業は効率化を今まで以上に求められています。少し前までは、製造やサービス部門での効率化が先で、会社に直接利益をもたらす営業部門には比較的リストラ(人だけでなく)のメスが入るのは順番としては後だったように思います。そのせいか、属人的で効率性の欠いた営業が行われていても、野放し状態の会社も多く、営業の効率化が遅れてしまったのではないかと思っています。

しかし、これに気付いた企業が、営業改革に乗り出しています。昨今のインターネットの普及から、いわゆる人を介さない営業・マーケティングで成果を出している企業も多く、こうした取り組みはかなり存在感を強くしてきています。とはいえ、 商談での細かい打ち合わせや、確固たる信頼関係の構築には、やはりフェース・トゥ・フェースにかなうものはないでしょう。直接お客様とコミュニケーションを図り、人としてのつながりを持てる営業の存在はとても重要な存在です。

 ならば、それが最も効果的に作用するシチュエーションを作るまでは別の媒体や手法で行った方がいいというのが、私たちが意味するところです。この考えには、経営者も営業の現場の方も基本、大賛成です。

しかし、実際にこの仕組みを始めようとすると、ちょっと異なる反応が返ってきます。とりわけ現場からは、「訪問しないで、メールや電話だけで関係がつくれるのか」「営業担当以外からのアプローチはお客様を混乱させるのではないか」「やっぱり訪問を頻繁にしてくれる会社を選ぶのではないか」という声です。

というものの、実際にインサイドセールス活動(非対面での営業活動)を行った結果、上記のような問題はすぐ払拭されます。営業もなるほど、情報提供をしながら営業のアシスタント的な位置づけとして認識され、お客様の反応も上々となると、ひと安心します。

すると一方では、こんな声が聞こえてきます。「インサイドセールスは、案件になったお客様だけを営業に渡してくれるのだよね」と。これは違います。案件=商談のきっかけになるような働きかけは行いますが、最終的にそれを商談化させるのは、営業の役目です。ですが、直接営業自らがそのアプローチを行うかどうかは別として・・・です。

つまり、商談化する、受注する、お客様を作るということにおいて、営業に最終責任があることに何ら変わりありませんが、描いた営業ストーリーを共有し、実行してもらうことは、場面、場面で分業しても良いということなのです。

今も昔も、営業がお客様を創っていくことに何ら変わりはありません。しかし、それを場当たり的に、宝探し的に行うことではなく、十分にお客様を知り、企画を練り、顧客を育て創っていくことを、組織的に行っていくことがどうもこれからの主流になりそうだと予見しています。