【Vol.16】 展示会出展の目的とは

メールマガジン

先週、「第1回スマートグリッド展」にとあるクライアント企業様のお手伝いで参加してきました。次世代エネルギーに対応する最新技術に驚嘆しつつ、大きく社会インフラが変化する兆しを体感しました。連日1万人前後の方が来場されておりました。

 さて、このような展示会ですが東京ビッグサイトや幕張メッセなど、主だった展示会施設だけでも年間、かなりの数の展示会が催されています。ちなみに、展示会主催会社リードエグジビションジャパンの実績では、過去15年間で出展社数は約2200社から1万3千社へと約6倍に伸びているそうです。

 
 そこで、今月は展示会とインサイドセールスについてお送りしたいと思います。

 冒頭のクライアント企業様が出展した目的とは、こんな理由からでした。

 今までのコアビジネスが徐々にジリ貧になっていくことが既に明らかでした。そんな中、急ピッチで新しいビジネスの柱を作らなければなりません。しかし、新規ビジネスであるスマートグリッドに関する顧客データは全くありません。これまでのコアビジネスの顧客層とはまるで別の分野であり、アプローチしたくてもその先がないのです。

 そこで、スマートグリッドに関する顧客データベースを作ろう!となり、顧客情報を集めることを最大の目的として出展しました。

 開催期間3日間での顧客情報の目標は1500件(名)。社員の頑張りや取扱商材の可能性等から、当初の目標は1日目で達成し、目標は6000件と上方修正されました。

 さて、この後です。この6000件の顧客データはどのように活用されるのでしょうか。恐らく、来場お礼メールを送り、アンケートがある場合はその内容に基づいて、営業が優先的にフォローをする。ここまでは大概の企業で行っていることでしょう。

 これは別のクライアント企業様での事例ですが、約3000名の来場者のうち、アンケート回答があった場合や営業が接客した顧客が3割弱でした。それ以外の来場者については、ノベルティと交換しただけの人だから、覚えてもいないだろうと、そのまま何もせずに放置していました。

 しかも、そのクライアント企業様は年に4回ほど、こうした大きな展示会に出展しながらも、毎回それを繰り返していました。

 もちろん、来場者全員をフォローしたい考えはあったのですが、3000名を4~5名程度の人員で行うには1ヶ月以上かかってしまいます。それに普段の商談も抱えながらの対応となると、遅々として進みません。さらに、あまり関連のない人がいたり、冷ややかな反応をされると、商談ステージにいる顧客とのギャップに営業のモチベーションも下がり、 しまいにはフォローしたことになっている不在顧客のオンパレードだった そうです。

 
 そのため、営業が現実的にフォローできる数に絞り、それ以外はExcelでリストを管理するに留めていたというのです。

 そこで、この展示会来場者のフォローをインサイドセールスで行うことになりました。すでに、過去1年以上経過していたデータも多く、展示会自体の効果は薄らいでいたものの、それでも、そこから案件が生まれ、活動から4か月で商談金額は約2600万円にもなったのです。

 この結果にマーケティング兼営業の責任者は、通りすがりの人なのに、かつ展示会開催からだいぶ時間が経っているのにも関わらず、どうして?いうのが素直な感想だったようです。

 展示会来場者の中には確かに直接関連がない人もいます。例え関連していたとしても、何か製品を目指して来場する人、単なる情報収集、出展企業のお付き合い等々、その温度差はあります。しかし、展示会のテーマに合わせて、直近でビジネスになるかどうかは別として対象となる顧客が集まることは事実です。

 
 また、顧客の記憶は薄れない内にフォローすべきであると言われますが、時間の経過が必ずしも商談の減少とイコールかというと、それは違います。来場に対するお礼や目先で可能性がある場合はすぐの対応が有効ですが、そうでない場合は、ある程度、時間が経過した方が検討段階が進展しているということがあります。

 直近で可能性がある顧客かどうかはなるべく早い段階で判断できるよう、アンケートや直近のフォローで確認する必要がありますが、多くの場合、まだ具体的な話がない顧客が多いため、インサイドセールスでは、時間の経過を上手く味方につけながら顧客を醸成していきます。酒造りの醸造の原理と同じように、お酒ができるまでには時間と麹が必要なのです。

 具体的には、お礼メール等を1週間以内に行い、その後電話などでもう少し詳しい状況ヒアリングは1ヶ月半以内に行い、その結果によって、顧客をセグメントします。その後情報提供等をしながらセグメントに合わせて3~6ヵ月に1回程度継続してコミュニケーションを図っていくといった流れです。

 集まった顧客情報を目先の上澄みだけをすくうのか、将来の糧となるような顧客データベースとするかは、展示会開催後で分かれていくことでしょう。

 いずれにせよ、展示会は顧客接点の絶好の機会です。みなさんは展示会を有効活用できていますか。