【Vol.18】 ITがもたらしたセールスプロセスの変化

メールマガジン

1990年代後半から続く日本経済のデフレはそのまま日本経済の停滞とほぼ同様の意味をなしていますが、そんな中、さらにここ2、3年が各企業にとって、大きな転換期のような気がしています。

今から10年ほど前、2000年前後にはインターネットを中心とした情報通信産業の台頭し、ここ2-3年ではPCや携帯、最近のスマートフォンなどのモバイル端末の普及により、SNSやコンテンツ配信サービスベンダーやweb作成サービスやSEO関連サービスの隆盛などめまぐるしく産業構造が変化しています。

 弊社が身を置く、営業支援コンサルティングやCRM業界においても、IT色はますます強まっています。もともとコールセンターシステムのCTIに代表されるようにIT・システムと関連が強かった訳ですが、昨今では、メールを継続的、段階的に配信し、顧客を醸成していくサービスや、Webのログ解析など顧客の行動管理を分析できるようなツールが乱立しています。こうした各種ITツールを利用したプロモーションが一般化しつつあります。

 これが成立する前提として、ご承知の通り、現代ではどの企業でもパソコンを使って事務処理をし、メールアドレスを所有し連絡を取り合い、インターネットを常時接続して情報収集するといった環境で仕事をするようになったからです。

 このような時代では、こうしたITツールをいかに使いこなせるかによって、新規の顧客開拓においても、既存顧客の維持においても違いがでてくることは否めません。もちろん、そうかといって、アナログ的な人間的なアプローチも有効でないかといえばそうではありません。

 某クライアント企業様でのことですが、環境ビジネスに参入することを決意しました。しかしながら、既存ビジネスの顧客群とはまるで異なるため、顧客開拓をするにも、アプローチ先やその材料を掴むのに苦労していました。

 このままでは闇雲に営業活動をすることになりかねません。

 そこで、展示会で集めた顧客情報に対し、メールを送り、メール本文にあるURLをクリックした人を優先的にフォローする事にしました。クリックした情報は何かということを参考にしながら、電話でフォローを行いました。

 クリックしたことは記憶から遠ざかっていたようですが、比較対象のためにフォローしたレスポンスがなかった顧客群よりも反響は良かったのは言うまでも有りません。

 また、コールという訪問活動の次に工数のかかるセールスチャネルを「メール配信」→「サイト誘導」→「クリックカウント」という流れにより効果的に活用することができました。

 コールでは直接顧客の声を拾うことができるので、より詳細な情報を得ることができます。一つ一つは小さな声ですが、この声を束ね、業種や企業規模、さらには接続した担当者のレイヤー(階層)などを加味して分析すると、顧客とビジネス領域との相関図が浮かび上がってきました。

これは、ITの良いところと、コール=会話というアナログ的なものを上手く組み合わせた結果でした。

 しかし、忘れてはならないのは、各種ツールは作業効率の向上やデータ抽出の材料にはなりますが、そうしたツールや材料をどう使うかが重要で、それは使う側の人の知恵が非常にモノを言います。ツールよりもその使い方が重要だと思っています。

 以前CRMがもてはやされた頃、多くの企業がシステムを導入すればCRMが実現できると勘違いしてしまったという歴史があります。

 便利な機能やシステムはどんどん使っていただいてよいと思いますが、システムに依存することなく、どんな時にどう使うと効果が出るのかを見極めて、効果的な顧客開拓を展開していただきたいと思います。