【Vol.22】 インサイドセールスの大きな壁

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今年の最後のインサイドセールスの肝はちょっと重たいテーマです。

 インサイドセールスは営業プロセスを分業しますが、それゆえの大きな壁(=課題)が生じます。もちろん良い面も多いのですが、弊社が支援している企業様で必ずと言っていいほど、上手くいくかどうかの瀬戸際、山場となる場面があります。

 それが「営業連携」のシーンです。

 実は、インサイドセールスの実務部隊を立ち上げることはそれほど難しくなく、支援開始から3ヵ月もあれば概ね起動に乗ります。インサイドセールスの実務部隊が起動に乗るという事は、営業へエスカレーションする有望な情報(セールスリード)が出始めるという事です。

こうなると、営業との連携が不可欠で、営業へ興味が有りそうなお客様や導入を検討し始めそうなお客様の情報を送るだけでなく、その後、営業がどのような対応をし、きちんとフォローがされているのか、代わりのサポートは必要かどうかなども営業と一緒になって対応を検討していく必要があります。

 しかし、営業にこうしたインサイドセールスから見ると有望と思われるセールスリードを上げても、「フォローしたけど商談にならない」と言われることがあります。

 さて、これはどういうことでしょうか。

 単純に、インサイドセールスが営業へエスカレーションしたセールスリードの確度が低かったと考えられるでしょう。また、対応した営業担当がそのセールスリードを十分に活かした営業ができていなかったとも言えるかもしれません。もっとシンプルにいえば営業力がなかったということです。

 正直に申し上げますと、現場ではそのどちらもよくあります。

 営業的にみても確度が高いセールスリードでも、商談にならないケースもあります。逆に、それほど確度が高くなかったが商談に至り、受注になったということもあります。これは個々の営業力の違いが最後はモノをいうと言いたいのではありません。

 営業がインサイドセールスからのセールスリードに対して、どう考えこのインサイドセールスという仕組みを活用しているかによって差が出ると言いたいのです。

 ある営業担当は、インサイドセールスに訪問打診までを依頼します。営業が訪問した結果、可能性があると実感できたところだけを営業が継続フォローします。

 別の営業担当は、インサイドセールスに顧客の現状と興味度合いを確認してもらい、その結果をもって自分でフォローすべきか、再度インサイドセールスでフォローしてもらうかを一緒に検討します。そして継続的に顧客全体をカバーリングしていきます。

 この2人の営業の違いは大きく2点あります。

1)どのような状態であれば可能性があるのか(高いのか)の条件を具体的 な事象や顧客の状況を踏まえて営業とイン サイドセールスが共有しているか否かという点。

2)直近で可能性があると営業が独自に判断した内容に基づいて継続的に対応する顧客を絞り込むか、中長期的な視点 で可能性を見出しながら出来るだけ多くの顧客を継続的に対応するかという点。


 これらの2つの違いは、営業がインサイドセールスというものをどう考えているかの違いでもあります。それは、つまり、インサイドセールスを目先の可能性の有無を確認するスクリーニングの機能と捉えているか、それとも、自分の分身として、またマーケットの開拓機能として捉えているかの違いではないかと思います。

 インサイドセールスを導入した場合、営業が効果を得られるのは、後者の方です。どちらの営業が優れているかではありません。あくまでも、インサイドセールスを導入した場合の営業のあり方として効果があるのかという話です。

 インサイドセールスを会社の仕組みとして効果を発揮させるには、インサイドセールスと営業が頭脳面では共有し、行動は分業することでしょう。例えていうなら。頭は一つで体は2つ。これなら、分業していても、ミスマッチが起こりにくいはずです。

 もちろん、僅かな可能性でも広げていこうとするインサイドセールスならではの多角的な視点はとても有効ですが、それが営業の考えとマッチしていなければ、意味がありません。

 また、営業プロセスを理解したり、営業へ次の顧客へのアプローチ方法を提案するぐらいの企画力もインサイドセールスには必要でしょう。インサイドセールスは単なる間接営業の実行部隊ではなく、顧客全体をとらまえて、どうマーケットを醸成していくかを企画するノウハウも身につけなければなりません。

 そして、それを営業に提案しながら、また営業もインサイドセールスへ自らの営業プロセスや営業ストーリーを共有しながら、顧客へアプローチしていくことが、営業連携のコツだと思います。

 営業もインサイドセールスもそれぞれの技を磨きつつ、共有し合うスタンスが最も重要だということです。