【Vol.31】サイレント・マジョリティの本音

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今月は配信が予定より2日遅れて申し訳ありません。担当者が猛烈な風邪をひいてしまい原稿が間に合いませんでした。深くお詫び申し上げます。

 さて、本題ですが、みなさんは、サイレント・マジョリティ(silent majority)という言葉をご存じでしょうか。

 これは、「物言わぬ多数派」「静かなる多数派」という意味で、積極的な発言行為をしないが大多数である勢力のことを言います。かつて、ニクソン大統領が演説で、「サイレント・マジョリティ」という言葉を用いてから「発言はしないが現体制を支持している多数派」というニュアンスで用いられるようになったそうです。

 今月号では、ビジネスの世界、セールスの現場におけるサイレント・マジョリティとインサイドセールスについて考えてみたいと思います。

 では、ビジネスシーンにおけるサイレント・マジョリティとはどのようなことを想い浮かべるでしょうか。

 企業主催で行われているセミナー等で、自社製品の導入事例としてユーザーが発表することがありますが、これはこのサイレント・マジョリティに似た効果を期待しているようにも思います。導入した1社が発表することで、同じ製品を導入した他の企業も同じような見解だろう、よって、それだけの導入実績があるのだろうと受け取ることができます。

 先に申しておきますが、これが良いとか悪いとか、そういう議論ではありません。

 また、口コミなどもでも同様のことが言えます。実際に利用した大多数の意見でなくても、口コミの意見が、大多数の意見のように見える現象です。まだ利用していない側の人間にとって、利用している人の意見はとても貴重です。また、全体の意見を聞くわけにはいきませんので、 発信している人の意見に左右されます。そして、それがあたかも大多数の意見の代表であるかのように見えてしまうという現象です。

 さて、このサイレント・マジョリティとインサイドセールスがどう関係あるのか、その続きを追っていきましょう。

 インサイドセールスでは、ユーザーのフォローや失注案件、ペンディングになった案件を持つ顧客のフォローを行うことがあります。すると、営業から聞き及んでいたものとやや異なった実態を知ることがあります。

 例えば、失注した案件の顧客フォローでは、失注の原因は「価格だった」と営業から聞いていたが、実際は、「価格もあるが、それよりスペックだった」とか、「営業の対応がイマイチだった」とか、「本当は社内にお金がなかった」とか、そんな声を聞くことがあります。

 また、シェア何%という商品のユーザーからは、実際の利用について質問すると導入はしたものの利用していないと言う声が多かったり、また逆に脚光を浴びるような華々しい商品でなくても、地道にユーザーに支持されていたりとうこともあります。物言わぬ顧客の本音とはなかなか表に出てきにくいものではないでしょうか。

 インサイドセールスは、こうした顧客の本音を掴むことも積極的に行います。そうすることで、顧客が何を求めているか、企業として何を改善しなければならないかを知り、また同時にそうした小さな顧客のつぶやきに反応していくことで、顧客の信頼性を高め、次のビジネスチャンスを 作っていくのです。

 もちろん、インサイドセールスの投げかけにもどこまで本音で話してくれるのか、それは私たちにも分かりません。とはいえ、商談の当事者である営業マンよりも比較的、本音を語ってくれているようです。実際に提案をしてくれたり、値下げ交渉にも応じてくれた担当営業マンには、 心情的にどうも言いにくいようです。

 本当は、「もっとこうしてくれたら良かったんだけど…。」そんな声を聞く度に、それを商談中にこちらがキャッチしてフォローしていれば、受注できたかもしれない。そんな時もあります。

 営業からすれば、良い話ならどんどん顧客の声として集めて欲しいと思うでしょうし、悪い話なら、お願いだから「寝た子を起こす」ような 真似はやめて欲しいと言われることもあります。

 もちろん、顧客の声として聞き集めただけで何もしない(できない)のであれば、それは聞かない方が良いのかもしれません。

 ただ、売れればいい、余計な手間はかけたくないという発想では、本当の意味で顧客に役立つ商品・サービスを提供しているとは言えない のでないかと思います。

 それはともかく、私は顧客のリクエストをできるだけ拾うことがインサイドセールスの仕事であり、その積み重ねによって商談になって いくものだと実感しています。そして、そうした顧客のつぶやきや小さな要求は、担当している営業マンだけが知るものではなく、企業として キャッチできる体制を作っておくことが商談機会の創出と顧客満足につながるのではないかと思います。

 あなたの会社のサイレント・マジョリティの本音はいかなるものでしょうか。そこに次の商談のヒントがあるかもしれませんね。