【Vol.38】戦略なくして戦術なし

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 4月は新しい年度の始まりですね。日本企業の多くが、2012年度の営業方針や組織体制の中で、営業施策プランが検討され、いよいよ連休明からスタートされる頃かと思います。

 弊社でもこの時期はインサイドセールス云々の前に、今期の事業方針に基づき、実際の営業活動において、どうインサイドセールスを活用するかという視点で関わることが多くなります。

 そうです。大きな意味での営業戦略に関わることになります。ところが、戦略の話をするはずなのに、戦術の話にすりかわってしまうことがあり、明確な戦略もないままに、「インサイドセールスはどうしたらよいか」という議論に陥ってしまうことがあります。

 この問いを噛み砕いていくと「どうしたらよいか=何をしたらよいか=どのようなプロモーションを企画・実行したらよいか」となります。 つまり、インサイドセールスにおける年間を通じた活動プランを作成していくことになります。

 これはとても重要であり、結果的に活動プランという形になってまとめることは、むしろ必要なことですが、その前に営業戦略や商品戦略などの戦略が定まっていないと、せっかくのプランも意味を無さないものになってしまいます。

 インサイドセールスは戦術です。企業がアプローチすべきマーケットに対して、どのようにして商談機会を増やし、受注をしていくか、売上を伸ばしていくかを達成するための手段です。

 しかしながら、営業戦略は営業部門に任せ、決められた事をインサイドセールスは実務として行えばよいというものではないと思います。 インサイドセールスはデータベースを活用したデータベースマーケティングという視点から営業戦略を考えていき、営業とすり合わせていく事が 必要だと思います。これは一種の営業部門への提案と言ってもよいでしょう。

 そこで、今回はインサイドセールスという戦術からみた営業戦略の考え方についてお伝えしたいと思います。

 ちょっと大それた表現をしてしまいましたが、もう少し控えめに言えば、インサイドセールスにおいて年間プランを作成する時の手順や考え方についてお話しさせていただきたいと思います。

 まずは、支援する営業部や、継続的に醸成してきたマーケットがどのような状態であるかということを整理します。

 これは弊社のスキームでは、顧客ステータスによる顧客の醸成度合いの分析や、営業的な判断をする上で必要な顧客情報(プロファイル情報)などの蓄積状況の分析をするということです。

 その上で、今期、注力する商材やターゲット企業の業種や企業規模などの情報を営業とすり合わせた上で、インサイドセールスとしてアプローチする顧客層やテーマを決定します。

 また、年間を通して、顧客が導入に対して検討を始める時期や予算申請などのタイミングに合わせて効果的にアプローチしていくこと、また、営業工数や営業導線と連動するようにインサイドセール業務を計画することが大切です。

 年末や年始の既存顧客の挨拶回りなどに多忙な時期に、セールスリードを提供してもフォローが滞りがちです。また、一般的な長期的な休みの前に商談化へポイントになるような訴求性の強いプロモーションを行っても、長期休暇により顧客のテンションが下がってしまうことがないか、ということも考慮すべきです。

 もちろん、長期の休暇を利用してじっくり考えるという商材や顧客の場合は逆に休みの前にプロモーションを行うということになります。

 つまり、インサイドセールスが効果的に作用するよう顧客及び営業のスケジュールを踏まえたプランニングをするということです。 さらに、メールやweb、リアルなセミナーやイベントも含め、それぞれのプロモーションが連動するようスケジュールリングと企画の 設計をします。

 インサイドセールスにおいて電話という手段は、唯一双方向の手段であり、ヒアリングから訴求まで行うことができます。それゆえ、最も コストのかかる手段でもあるので、そのパフォーマンスが最大限に引き上げられるよう、他のチャネルを上手く組み込んでいきます。

 こうして作成された年間プランの中で、毎月の活動や四半期毎の営業活動の進捗状況を確認しながら、微調整をしていきます。

 そして、最後に忘れてならないのは、インサイドセールスは、今期の売上をサポートする支援というよりは、1年後、2年後の売り上げを 支える仕組みだという点です。となると、今期に入ってから施策を検討してからでは、今期の売上につなげるには遅いと思われるでしょう。その通りです。それは営業とて同じではないでしょうか。”今すぐ客”と同じ視点で、”これから客”にアプローチしていこうと考えている時点で既に営業戦略が破綻しているように思います。

 ですから、マーケットを把握し、顧客にマッチした商材が訴求ができるよう、仕込みを計画的にきっちりすることからインサイドセールスのプランニングは始まっているのです。

 但し、マーケットを把握しているばかりで、顧客のニーズが変化して、インサイドセールスがマーケットリサーチに終始することが ないよう、注意が必要です。

 そのためにも、顧客の醸成具合をステータス管理し、”そろそろ客”をデータベースからあぶり出し、確実に商談化へ進めていける準備をしておくことが、インサイドセールス的営業戦略といえるのではないでしょうか。