【Vol.45】段階的アプローチの意味

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私たちがインサイドセールス構築のコンサルティングを行っていますと、 しばしば2つの大きな課題にぶつかります。

 1つ目は、分業した場合、インサイドセールス側が顧客の本質的なニーズ にフォーカスできずに、通り一遍のアプローチに終始してしまうという点で す。

そうすると、顧客と仲良くなり、関係醸成はできたとしても商談機会を 導けないという結果に陥ります。またそれが続くとフィールドセールス側は インサイドセールスで商談化することは無理だと思い込んでします。

 そうなると、インサイドセールス側もフィールドセールスがそういうので あれば、やはり無理なんだとなり、単純な資料の提供やセミナーの案内係に 甘んじてしまうようになります。

 2つ目は、フィールドセールス側の話ですが、顧客の絞り込みに走り易い ということです。

 これは、醸成された顧客が今、目先で成約するのかしないのかの判断や 査定をしたがり、一定の指標をクリアすればフォローしないものは放置 ということになります。

 当然、職制上、営業は目先の売上を求められますから、セールスリードに ついて一定の判断をするのは必要なことです。しかしながら、どうしても ”ゼロ・イチ思考”から抜け出せず、よくいうところの”いい話”しか興味 を示さず、ちょっと難あり(時期尚早や競合あり、スペックのアンマッチ等)
の案件となると途端にフェードアウトしていくシーンをしばしば目にします。

 こうなると、インサイドセールス側にも”ゼロ・イチ思考”が伝播し、 どんどんマーケットを狭めていくということになりかねません。

今回、実はよくあるこの2つの課題が密接に関連づいていることを紐解き つつ、インサイドセールスの段階的アプローチの本当の意味をお伝えして 行きたいと思います。

 先に挙げたインサイドセールス側が顧客の本質的なニーズにフォーカス できないという課題ですが、まずこの原因として考えられることは、 営業プロセスや顧客の検討プロセスをインサイドセールス側が理解して いないということがあります。

 顧客がどのように商品を検討するか、採用するためにどのような社内での 段取りが必要かを理解していなければ、こちらから顧客の検討ステージを 確認することはできません。

 また、営業プロセスの理解が不足していると、どのような状態であれば 営業が次のアクションを起こすのかわからず、状況に応じて顧客を導くこと ができません。

 もちろん、極端な話で「今すぐ検討しているから見積もりを下さい」と いうような顧客からの明確なリクエストがあれば、次に何をするべきかは 明確ですが、それでも、そのリクエストの意図や背景が確認できなければ、 顧客の本質的なニーズは把握できず、商談の確度も判断できません。

 そうすると、結局、顧客からそれなりに検討をほのめかすような情報を 発信していてもスルーしてしまい、単なる情報提供をしてクロージングと なってしまうのです。

 そこで、フィールドセールスがインサイドセールスに任せていても商談 にならないと息を荒げて、やっぱりフィールドセールスが直接顧客に会う べきだ論が掲げられることがあります。

 しかし、フィールドセールスは目先で売上になるかどうかの確認をしに 顧客へ会いに行くものですから、遠い将来に見える顧客には、これまた 「また何かあれば・・・」程度の挨拶をして帰ってきてしまうのです。

 最初から”いい話”など転がっている訳はなく、当然それは頭では みなさん理解しているのでしょうが、顧客のちょっとした要求やお試し には見向きもせず、実際の行動は”いい話”を探しに行っているとしか 私には見えません。

 このような”ゼロ・イチ思考”になる理由も実は1つ目の課題と類似 した原因があると考えます。顧客の明確な顕在化したニーズに対応する 以外の営業プロセスが実のところないのではないかと思うのです。

 仮にあったとしても、インサイドセールスと同様に情報提供するか、 顧客からの連絡を無期限で待つという放置以外のアクションしか考えら れていないのではないでしょうか。

 顧客からの連絡を待つことは決して悪いことではありません。 ただこれが「無期限」であることがナンセンスだと思います。

 与信上問題があるとか、テリトリー外だとかであれば、1次対応後は 無期限に待つでよいと思います。そうでなければ、一定期間を過ぎても 顧客からのアクションがなければ、こちらから働きかける位の準備を 1次対応際に仕込んでおく必要があると思います。

 そのことだけでもインサイドセールス側にも伝え、連携が取れて いればインサイドセールスの対応も変わるのではないでしょうか。

 どのような状態であれば1ヶ月後に電話でフォローをするとか、 その電話でフォローした結果がこうであれば、営業はこのような アクションをするだとかを予め想定していくことが想像できていない からどちらの問題も起こるのだと思います。

 インサイドセールスが段階的にアプローチする意味は、このように 直ぐ商談に至らない、もしくは何らかの理由で成約しなかった顧客を ゼロにするのではなく、その目が出た状態をキープしながら、その顧 客に応じて中長期的に商談を進めていくためのステップなのです。

 それを予め想定し、インサイドセールスの業務に組込み、営業連携を 図っているのです。

 インサイドセールスでもし、2つの課題に直面したら、もう一度、 営業自体のあり方を見直ししてみてはいかがでしょうか。