【Vol.44】コール設計のロジック

メールマガジン

 インサイドセールスの肝」というタイトルでお届けするようになり、早3年が経過していますが、インサイドセールス業務において”肝”になるのは、やはりコール業務であります。

 しばしば、インサイドセールスという言葉はアウトバウンドコールやテレマーケティングの単なる代名詞であり、同質であると誤解される ことがあります。しかし、それは似て非なるものであり、概念やスタンス、顧客管理に裏付けられた仕組みそれ自体が異なると思っています。

 とはいえ、間接的な手法という制限のある中での顧客リレーションやセールスプロモーションにおいて、電話というチャネルは唯一双方向でコミュニケ―ションが図れる点は全く同一であり、ゆえに差が生じやすいのがコール業務でもあります。

 この差がスキルやノウハウの差であり、仕組みの有無であり、スタンスの違いであります。そしてその結果違うのも成果の質、成果量です。

 もちろん、電話のパフォーマンスを最大にするために電話以外のチャネルをどう活用するかが、至極重要ではありますが、インサイドセールスの肝を語るとき、コール業務のその深さはほかのチャネルのレベルではありません。

 そこで、今回は、インサイドセールスにおけるコールがどのように設計されるのか、その基本的な設計フローや考慮する点をお伝えしたいと思います。

 インサイドセールスにおけるコール業務は、原則、パッケージ化されます。

 目的に合わせてターゲッティングされ、さらにコールが終了した時にどのような状態であればよいのか、ゴールを設定します。そして、そのゴールが達成できるよう、コールを設計します。

 ですから、ゴールは基本的にはコールプロモーション単位で同一であり、ゴールが異なるコールは別メニューのコールプロモーションとなります。

 一般的に営業やフィールドセールスが行う電話営業やセールスプロモーションは、たとえて言うなら、「風呂敷を広げて、そこに自分が 持っているおもちゃを並べてみて、お客様が目を引いたものだけを残して話を進めていくようなもの」です。

 それに対し、インサイドセールスのコール業務は、1つか2つ位のアイテムを持ち、その限られたアイテムを事例としながらコミュニケ ーションを図ります。その限られたアイテムにお客様は興味が無かったとしても構いません。そのアイテムに興味がないという事実を引出し、 興味があるテーマが何かを引き出せばよいからです。

 この違いは、インサイドセールスは段階を追って顧客を醸成するというスキームの違いにあります。インサイドセールスは、電話やメール という間接的なチャネルなので、コンタクトを重ねても工数は営業の比ではなく、また時間的な経過を味方に付け、段階的かつ継続的にアプローチを重ねることで成果を導くのです。

 また、コールで扱うテーマや商材も限定させ、それほどの専門知識や高い営業スキルがなくても、対応できるようにして稼働率を上げ、 かつ一定品質を保てるようにしています。

 このような考え方をベースにインサイドセールスでのコール業務を設計していくと、次のようなフローになります。

 1.目的・ゴールを設定

 2.ターゲッティング

 3.ヒアリング項目の設定

 4.他チャネル含めた関連プロモーションやイベントとの調整

 5.コール設計(コールの流れ、骨子を作成)

 6.トークスクリプト作成

   1)フロントトーク(イントロダクション)

   2)メイントーク(ヒアリング項目をトークとして展開)

   3)エンディング(コール上のクロージング)

 2のターゲッティングは管理している顧客情報の質や量によっては、先に決める(あるいは決まってしまう)こともあります。

 そして、目的やターゲッティングから導いたヒアリング項目に基づいて実際のコールの流れを作ります。このコール設計では、目的が果たせるよう各ヒアリング項目とのつながりや趣旨に矛盾がないかチェックしながら作成します。

 また、トーク展開については、単なるアンケート調査にならないよう、会話ならではの双方向性や顧客へのメリットを意識して、話し言葉で作成していきます。もう少し具体的に言うと、説明やPR的なフレーズはほとんどなく、後の発問が前の発問の意味づけをするような、流れを つくります。

 このようにすることで、顧客が話す時間が多いコール設計になっていきます。

 
 さらに、弊社では1コールを基本5分間で想定し、スクリプトはA4サイズ1枚に限定します。フォントも10より小さくはしません。 このような物理的な制限をすると、ヒアリング項目やセンテンスや言葉が厳選され、会話に無駄がなくなります。

 このコール設計がとても重要で、オペレーターのスキル云々の前に、コールの構造・設計に問題があると現場の負担も多く、成果も出ません。

 コール業務というとオペレーターのスキルを話題にされることが多くありますが、もし、成果が今一つだというときは、スキルの前に、コールプロモーションの構造・設計をまずは点検してはいかがでしょうか。