【Vol.46】なぜ不自然な会話になるのか

メールマガジン

 インサイドセールス業務に従事されている方の研修やスキルチェクも
対応させていただいておりますが、ふと不思議に思うことがあります。

 それは、電話の会話が不自然になるということです。インサイドセール
スは非訪問による営業支援活動ですから、直接双方向で顧客と会話をする
シーンというのは電話に限定されますが、その電話での会話がぎこちなく、 無味乾燥な印象を受けることがあります。

 この課題は、OJT研修などを実施していくうちに解消されるものでは
ありますが、最初の段階やあるいは、センター化しているクライアント様
などは、どうしても、紋切型のスクリプトを読んでいるような会話に陥っ
てしまいます。

 インサイドセールスでは、原則としてスクリプト(台本)といったものを 用意します。これはプロモーション単位に用意されるものです。スクリプト は企画されたプロモーションの成果・目的を達成するために、必ず顧客へ ヒアリングすべき内容を話言葉に変えて、初心者でも対応できるようにする ためのツールです。一般的なコールセンター業務でも用意されているもの です。

 このスクリプトの従って、顧客とのコンタクトを図るのですが、弊社では スクリプトはあくまでも現在地を確認する地図のようなもので、順番や
表現は意味や趣旨が変わらなければ変更して構いませんと伝えています。

 しかしながらこのスクリプトから離れられず、普段の会話でない状態に
なってしまうのです。この原因は一体どこにあるのでしょうか。

 今回は、インサイドセールスにおける電話業務での課題、とりわけ「会話」 という点に焦点を当て、その課題と改善策についてお伝え致します。

まず、不自然な会話になる理由の前提として、スクリプト通りに話をしな
ければならないと思う嫌いあるということです。特に営業や接客といった
顧客対応の経験がないスタッフは、何をどう話したらよいのか皆目見当つ
かないので、このスクリプトが唯一の頼みになるからでしょう。

 それゆえ、スクリプトに依存し過ぎてしまい、スクリプトにない会話が
発生すると、どう対応して良いかわからず、不自然になってしまうという
ことがよくあります。

 また、スクリプトに書かれた事柄を聞かなければならないとか、話を進め 無ければならないという意識に縛られ、肝心な顧客の息遣いが聞こえなくしまい、キャッチボールにならないのです。

 本来、会話は常にどのような職種の人でも普段していることですから、
普段通りに、会話をして欲しいと思っています。仮に昨日まで、専業主婦
だった方でも日常会話をベースに自然な会話ができるものだと思います。
但し、日常と異なる点は、会話する相手との関係性が様々であり、また
企業人として接するという緊張感や責任があります。

 日常生活において電話をするというのは親しい相手になるでしょうから、 業務・ビジネス世界では親しくなくても電話を頻繁に使う点は日常と異なる かもしれません。

 そうなると、親しくもない相手に、企業人として話をするとはどうしたら いいのか全くイメージがわかないということがあります。これは、営業経験 が豊富でも、ユーザーフォローやルートセールス中心に行ってきた場合は、 新規の顧客へのアプローチに苦手意識を持つ傾向が有ります。

 そのような初期の課題をクリアするためにもスクリプトがあるのですが、 スクリプトにある言葉が、自分の意思から出てきた言葉でないうちは言葉に 翻弄され、会話がままならない状況に陥ってしまいます。

 これは営業経験がないスタッフだけに限ったことではありません。実際に 営業経験を何十年としたベテランスタッフが、いざインサイドセールスと して電話業務をすると、途端にぎこちなくなってしまう事があります。

 それは、”自分の意志”として話していないためです。

 言葉はそもそも自分の意思を伝えるためのツールです。言葉に自分の意思 がなければ、単なる音声再生ツールと同じです。

 この「自分の意思として会話する」ところに、インサイドセールス業務のとても重要なポイントが含まれていると感じます。
 それは、そもそもスクリプトはプロモーションの目的を反映したものであり、 またそのプロモーションは営業的な戦略やシナリオを反映したものです。

 顧客との対話を通じて、商談機会を創出していくためのステップやフロー、 エッセンスがスクリプトには言葉になって表現されています。

 ならば、自然な流れになるようなスクリプトに改訂すればよいと読者の
みなさんは考えるかもしれません。

 しかし、その答えはNOです。

 どんなに素晴らしいスクリプトを作成しても、そこに書かれた言葉の意味、 なぜそのヒアリング項目がここにあるのか、なぜそれを顧客に今、問うのかを理解していなけければ、全く意味を成しません。

 結局、不自然な会話になる理由は、プロモーションの目的や営業シナリオを理解できていないということなのです。

 当然、それ以外の要素もあります。自分の言いたいことがうまく言えない、言葉が出てこないとか、相手の反応を気にし過ぎるあまり、会話が進められない等です。

 然しながら、これも意識が自分に向きすぎている事が原因にあると思います。

 流暢に話すことがインサイドセールスの目的ではありません。たどたどしくても顧客の状況を把握し、顧客が期待するメリット等を引出し、上手に商談機会を導くスタッフをたくさん見てきました。

 最近、クライアント企業様でスクリプト無の対応を始めています。
当然、これは自らが言葉を紡いでいくので大変頭を使いますが、
自らの言葉として出てきた言葉は何よりも顧客に伝わると期待しています。

 もう一度、そのプロモーションが何のためにあるのか、今の業務が何のために あるのか確認し、顧客の声に耳を傾けてみてください。

それがインサイドセールスだと思っています。