【Vol.49】インサイドセールスをどう始めるか?

メールマガジン


4月に著書「インサイドセールスの実務」を出版させていただき、 反響が増えて来ました。誠に有難うございます。

 つい先日も、本を読まれた新規の企業様へ訪問して参りました。
その際、現場担当者からは以下の質問をいただきました。

 1)営業担当以外の人がコンタクトしても関係は崩れないのか?

 2)展示会等では名刺収集より、接客をして商品説明しないと意味が ないのではないか?

 3)メールマガジンの発行の頻度や送信者へのフォローのタイミング はどれくらいがいいか?

4)この手法に理解してくれる経営者がどれくらいいるか?
(いい手法であっても即効性がないためTOPを説得しにくい)

 もし、みなさんが、インサイドセールス手法を社内に取り入れようとしたら、
どんな不安や疑問が過りますか。恐らく、上の1つや2つは浮かんだことが
あるのではないでしょうか。

 この4つの質問は、今まで支援させていただいたクライアント企業様 からもスタート前に全く同じ質問を何度と頂戴してきました。

そこで、今月は「インサイドセールスをどう始めるか?」と題し、 上記の典型的な質問について、あらためて解説していきたいと思います。

 
まず、1つめの営業担当以外からのコンタクトについてですが、逆に、 関係が崩れるとすれば、どのようなことが原因になるのか、考えてみま しょう。

恐らく、
・営業担当者に伝えたことが担当者以外には共有されておらず、顧客に
同じことを繰り返し聞いてしまう・・・。

 ・商品に関する専門的な内容や価格や納期について質問があり、答えに 窮してしまい、曖昧な返答をして顧客に怒られてしまう・・・。

 ・顧客が担当は○○さんだと思っているので、別の人から連絡があることで
関係性がわからず戸惑う・・・。

といったところでしょうか。

 これらを未然に回避できれば、問題有りません。

 まず、営業が顧客から得ている情報は些細な情報でもデータベース化する
などして、常に共有しておけば問題ありません。

 2点目のリスクは、回答期限等を確認した上で「確認して折り返します」として、
営業担当に確認するフローにすればよいでしょう。同時に予めインサイドセールス で答える範囲を明確にし、その範囲に応じてインサイドセールススタッフへの
研修や権限を用意しておくことです。

 3つ目のリスクには、インサイドセールスは、営業のアシスタント的な立場、
または顧客への情報提供者の立場として、営業と合わせてコンタクトを取らせて
もらうことを説明すればよいでしょう。

 人が違うから顧客との関係が崩れるのではありません。人が同じでも関係が
崩れることもあります。ポイントは、その対応の仕方にあると思います。

 2つの質問は、展示会での営業の有り方、展示会の位置づけについてですね。

インサイドセールス的な発想で語れば、展示会はより多くの顧客と接点を作る機会 と位置づけています。よって、名刺情報の収集に注力します。

 名刺収集=コンタクトできる情報(個人情報)を得ることになります。
コンタクトできる環境が整えば、あとからでも顧客のセグメントや精査はいくらでも
できます。仮に、どんなに詳しく商品説明をしても、その人がキーマンでなかったら、 単なる興味で聞いただけで全く関連のない人であったら、時間をいたづらに消費する だけです。

 もちろん、説明前にある程度、パーソンの立場や業務、来場の目的等を確認
してから説明するのであれば良いと思います。ただし、それも説明をしてからというフローにしていると、一生懸命説明したが、関係がなかったという事態も生じます。

 3点目のメールマガジンなどの情報提供の発行の頻度についてですが、BtoBであれば、月1回です。それ以上の頻度では顧客が情報を見切れません。また、垂れ流し的に情報を送って来るという嬉しくない印象を持たれてしまいかねません。

 情報提供という活動は、顧客に情報が「広告や宣伝」ではなく、きちんと価値ある情報であるという認識を得てもらう事、そして、顧客が何かあればいつでも問合せ先がわかるという顧客をつなぐパイプのようなものです。ですから、頻繁すぎてもダメで、つかず離れずの月1回が、理想と考えています。その方が送信する側の工数も軽減でき、継続しやすいと考えています。

 また、送信者へのフォローは送信から最低3回、できれば6回程度送付した後
が良いでしょう。1回だけの送信は単発と同じです。まだ顧客が認知していない
可能性も高いです。継続的に配信されていると徐々に認知も上っていきます。
顧客が認知したタイミングにフォローした方がより効果的でしょう。

 そして、4点目ですが、経営者への理解をどう得るかという質問でしたね。
現場担当者がインサイドセールス手法を気に入り、導入したいと思っても、
なかなか上への理解が難しいという相談も受けることがあります。

 得策といえるような解は明確にはありません。ただ、私どもが言えることは、
インサイドセールスによる中長期的な成果プランの提示とあとは担当者の熱意
ではないでしょうか。

 本当に、現場担当者が惚れ込み、信じて実行できるれば、スタートは切れます
仕組みとして継続していくには、さらに次のハードルがやってくるでしょうが、
まずはこれだと思います。

 あとは、私はいつも決まっていいますが、「『他に良い方法があれば社長に
教えてください』と言ってみてはどうでしょうか」、と。

 インサイドセールスを始めるのはそんなには難しくはありません。
むしろ、その後の継続できるかどうかが本当の試練であり、そしてその継続が
実現できることが、本物のインサイドセールス手法の使い手になれるかどうか
のポイントだと思います。