【Vol.55】インサイドセールスの人材要件

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インサイドセールスを構築する際に、これまたよくある質問に、
「インサイドセールス業務に適している人材とはどのようなものですか?」というのがあります。

 インサイドセールスと言えども、「顧客とのコミュニケーションを図る仕事であるから、コミュニケーションスキルが求められるだろう」とか、「営業に関わる仕事であるから、営業センスや経験があるとよい」とか、色々お考えになるようです。

 営業センスがあって、顧客とも円滑なコミュニケーションが図れ、
リレーションを構築できる人材となると・・・それはトップセールスマンと同じ人物像と考えてしまうかもしれません。

 しかしながら、インサイドセールスにトップセールスマンを起用することは難しく、(はやりトップセールスマンはフィールドセールスとして活躍して欲しいですからね。)では、それに準ずる人がいいのかと考えた時に、いやむしろ、全く違う人材要件が考えられるのではないかと想いを改めるようです。

 その理由は、いわゆる営業(つまり、フィールドセールス)は対面営業でこそ、その本領を発揮しますが、インサイドセールスは間接的な手法での営業活動ですから、対面営業がないインサイドセールスで果たして同じように成果を発揮できるものかと、少なからず疑問と不安が生じるようです。となると、インサイドセールスならではの何か特融のスキルはもちろんのこと、人材要件までも異なるのではないかと考え始めるのです。

 この推測に対し、弊社の答えはYESです。

 フィールドセールスで成果を上げている人が必ずしも、インサイドセールスで期待される成果を出せるとは限りません。また、営業経験の有無が特別優遇されるわけでもありません。

 そもそも、インサイドセールスとフィールドセールスに求められること、その役割が異なることや、営業スタンスの違いから、人材要件も異なります。

 もちろん、共通する部分もあります。

 顧客が何を求め、どのような対応をすれば喜んでもらえるのかを、常に察知し、タイミングよく提案できる人は、フィールドセールスでもインサイドセールスでも成果を上げる人です。

 では、異なる部分はというと、中長期的な視点で、まじめにコツコツ
決められたことをきちんと実行できる人が向いています。また営業経験に
ついては、華々しい活躍の経験よりも、苦い経験をしている人の方が、
向いているケースが多いです。

 例えば、顧客に信頼は得られるものの、今一つ成果につながらないタイプの営業マンです。一生懸命対応するので顧客からは重宝がられるが、小さい商談ばかりで、会社からの評価は低いとか、まじめで仕事は丁寧だが、ダイナミックさやスピード感に欠けるため、大きい商談をまとめられないとか、営業の第一線での今一つ活躍できなかった人がインサイドセールスで花開いた事例はいくつもあります。

 なぜならば、インサイドセールスは中長期スパンをベースとした仕組みであるため、今すぐの成果を急ぐようなスタンスで臨むと、戦略と対応がアンマッチな結果になることがあります。

 例えて言うなら、フィールドセールスはハンター気質で、インサイドセールスはファーマー気質と表現したらイメージしやすいでしょうか。

 ハンターは狙いを定めるという習性があるため、顧客を見極める傾向があります。
また、ハンターは自分の縄張り意識が強く、自分が見つけた獲物は最後まで自分のもの、人に何かを任せることを嫌うようです。

 弊社が考えるインサイドセールスはフィールドセールスのような担当制を持たず、組織として顧客対応を行うため、チーム営業に近いものがあります。すると、接点を作った顧客のフォローを自分以外の人間が行うことも当たり前であり、何人もの手を得て、商談化していくため、縄張り意識が強いと返ってやりにくくなります。

 フィールドセールスがハンターならば、インサイドセールスはファーマー気質と例えることができるでしょう。

 インサイドセールスの対象マーケットを畑に見立ててみてください。その畑に、種をまき、水をやり、肥しを与えて、実るその時を待つようなものです。

 勘や運よりも、努力と計画、気候や暦などの天文学的なものを駆使し、
生産活動を向上させる農業に、インサイドセールスの活動は良く似ています。

 よって、まじめでコツコツ、時には数字や道具を駆使しながら、チームワークで仕事を進められる人が人材要件として挙げられるでしょう。

 また、インサイドセールスは、醸成した顧客をフィールドセールスへ引継ぐという大命題を持っていることが多いので、主観ではなく、客観的な事実や視点でものを語れる、記録を残せる人が向いています。

 もちろんコミュニケーション力も重要になります。
但し、フィールドセールスにおけるコミュニケーション力との違いの部分を言いますと、ノリや勢いよりも、緻密で正確なコミュニケーションを図れる人が適していると思います。

 これも、次の対応は別の人間が行うことが前提にあるため、次の人が対応しやすいよう顧客に対する理解を丁寧に行い、伝える必要があるからです。

 時には大胆な発想も行動も必要な時もありますが、インサイドセールスの業務を1つ1つ切り取ってみれば、一見、地味で単純に思えるかもしれません。

しかし、その地道な1つ1つの業務が、まるで天守閣を支える城の石垣のように実はかなり大規模なスケールで考え、推し進めていることが少なくないのです。

 この壮大なロマンをイメージしつつも、目の前の地道な活動に誠意をこめられる人、それがインサイドセールスでの人材要件の適任者といえるでしょう。