【Vol.66】BtoB市場におけるインサイドセールス実践上のポイント(後編2)

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 さて、今回はいよいよ、BtoB市場におけるインサイドセールス実践上の
ポイントの完結編です。インサイドセールスが最終的に組織に貢献し、
本当の意味での成果に繋げるための必須領域ですので、より丁寧に解説さ
せていただきたいと思います。

 ●営業連携(Sales Relation)

 インサイドセールスの定義及び実態は、導入する企業様によってかなり
異なる部分があります。そもそも言葉が表す意味は、「内勤営業」や
「間接営業・非対面営業」といったものです。しかしながら、それでは
インサイドセールスを形式上、形態や手段での表現であります。

 弊社が自ら実践し、提唱してきたインサイドセールスは、

・「組織営業」であり、
・「情報営業」であり、
・「データベースマーケティング」であり、
・「CRM」であります。

 これらの概念がベースにあり、現在のインサイドセールスとフィールド
セールスという分業体制もしくはハイブリットな営業体制が形成されます。

 最近は、インサイドセールスが単なる「間接営業・非対面営業」ではないということは認識されているようですが、果たして、前述した内容がどこまで実現できているかというと、そこにはまだまだひらきが多いようです。

 インサイドセールスが企業を支える営業の仕組みとして機能するには、
これまでお伝えしてきた4つのメソッドが不可欠という結論に自ら実践
してきた結果として、辿り着きました。その最終章ともいえる営業連携
ですが、これは、インサイドセールスとフィールドセールスの連携に
他なりません。

 実は、インサイドセールスを新規に立ち上げることは実はそれほど
難しくありません。データベースと人員が準備できれば、概ね軌道に
乗せることができます。しかし、インサイドセールスが立ち上がっても、
フィールドセールスとの連携がうまくいかなければ、この仕組みに成果を
見ることはできません。

 弊社の著書「インサイドセールスの実務」(3章の後半)でも書かせて
いただいていますが、分業体制がややもすると、組織間での壁や溝を生み、リスクになることがあります。

 なんといっても最終的に注文書をいただいてくるフィールドセールスが
モノを言うのも事実です。どんなにインサイドセールスがお膳立てをし、
案件を発掘し、商談へと醸成しても、注文にならなければ、収益は上がり
ません。

 それゆえ、フィールドセールスとの連携が重要なのです。

 実際には、連携するための運用ルールとしてセールス・リード・マネジメントがあります。これは、インサイドセールスが醸成した顧客群から具体的な案件や商談に発展した顧客をフィールドセールスに情報を取り次ぐためのルールです。

 このセールスリードの定義は、営業や企画部門と調整をし、定義づけ
られているのですが、問題はこのセールスリードの活用がうまく機能して
いるかどうかどうかです。フィールドセールスがフォローしやすいよう
緊急性やタイミング、商談の確度に合わせて、レベルを分けて(セールス
リードの定義として設定)セールスリードを提供します。

 課題としてしばしば発生するのは、このセールスリードが提供されても、フォローしない、もしくはフォローするタイミングが遅いということや
次のアクションとして何をしたらよいかフィールドセールス自身が思い
つかないということです。

 当然ですが、売れている営業担当者には、あまりこのようなとはありません。
意図的にフォローしなかったり、現状抱えている案件と比較してフォローの優先順位を下げていることはあります。売れている営業担当に何を提供しても、大概、うまく使いこなせます。

 しかし、インサイドセールスは組織営業ですので、優秀な社員に依存する仕組みではなく、そうでもない営業担当者でも売上を拡大できるようにする仕組みでなければなりません。

 ですから、セールスリードは提供して終わりではありません。アクションに対するリマインドやフィールドセールスからのフィードバックによって、インサイドセールスがさらなるフォローアップが行われるものです。

 また、セールスリードは、これまでの顧客とのやりとりをデータベースに記録していますので、すぐに営業部門でも共有することが出来ます。

 よって、セールスリードに対して次のアクションが取れていない場合、
その原因を営業担当者にヒアリングするなどして、上長が適切なアドバイスを行うことでカバレッジと育成が可能になります。さらに、営業担当は固定化されていることが多いですが、内容に合わせて、その分野が得意な営業担当に一次的に対応を変えることも可能です。

 当然、インサイドセールスが提供するセールスリードの質そのものも常にレベルアップしていく必要があります。また、フィールドセールスが凝り固まった概念で顧客対応が躓いている場合でも、それを打開していくヒントを作っていくことも必要です。

 そのためには、フィールドセールスからの改善要求や顧客対応依頼、
セールスリードの差し戻しなども忌憚なく行える環境と関係づくりが重要です。
インサイドセールスとフィールドセールスが、どうしたら成果につながるのかを、互いが知恵や協力体制を図り、歩み寄っていく組織でなければなりません。

 最終的にお金に換えるところまでを間接的にでもインサイドセールスが関わりながら、組織としての収益を上げるための工夫が営業連携の中身そのものなのです。
ですから、この営業連携の中身はその企業によって更なる進化と工夫が必要になる部分でもあります。

 いずれにせよ、インサイドセールスとフィールドセールスが営業の両輪となって機能していくことが非常に重要なのです。

 よくある話ですが、インサイドセールスを立ち上げると、「通常の営業活動とどう連携させるのか」という質問を受けることがあります。インサイドセールスはフィールドセールスの動きをデータベース等で把握し、さらには企業全体の営業方針に基づきアプローチを展開していきます。

 ですから、”営業の動きが分かるように”さえしてくれればよいのです。

これだけ情報技術が進んだ昨今ですから、SFAやCRMソフトなどで営業活動の共有はどの企業でも取組み始めている内容であると思います。

 日々の活動をきちんと残してさえいただければ、営業連携の8割以上の問題はクリアできます。

 そして、最後の2割は、やはり営業マンとしてのクロージングスキル、
セールスプレゼンテーションスキルを磨いていただきたいものです。

 ソリューション営業やコンサルティング営業などの必要性が叫ばれて久しい昨今ですが、これを実現するためにも、個人の知恵だけでなく、インサイドセールスや組織全体の力を最大限に活用する手はないと思います。