【Vol.76】育成のコツ!~まずは、信じて期待する

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 今年の高校野球は、スター選手の登場により、試合開始前から注目が集
まる大会だったようですね。そして、まさかの早実の準決勝敗退。勝った
仙台育英高校よりも、敗退した早実の清宮選手の方が、多く放映されてい
たことが印象的でした。

 今大会を観ていて、インサイドセールスと重なる部分があるなと思いま
した。それは、必ずしも、スター選手がいるチームが優勝するというわけ
ではないという点です。

 インサイドセールスの現場でも、リレーションシップを図ることが上手で、顧客のニーズをさりげなく導き、セールスリードをコンスタントに出していくスーパープレイヤーが時折、います。

 センスの良さというのか、生まれ持った資質というのか、上手くポイントを押さえて、確実に目的を遂行できる。なおかつ、いいお客様に巡り合う幸運も持っている。

 このようなスーパープレイヤーがその組織にいることは、とても心強い
ことは確かです。しかし、インサイドセールスとしては、好ましいことではあっても、決して目指す姿ではないと思っています。

 なぜなら、このようなスーパープレイヤーは育てようと思っても、なかなか育てることができないからです。スポーツの世界でも同じかもしれませんが、こうした逸材は、ある一定の割合では存在することはしますが、それこそ、稀有な確立で出現する逸材であり、そこに期待するのは、組織としては非常にリスキーだからです。

 それよりも、”そこそこ上手くできる人たち”を多く育てる方が、確実で
かつ組織としても安定するのではないかと思っています。

 では、その「そこそこうまくできる人たち」とはー。

 インサイドセールスの実務スタッフを私たちは、次のように定義しています。

 着任から1か月までを新人とし、基本的なコールスタンスや入力ルール、業務知識などを習得し、OJTをしながらコールプロモーションが実行できるレベルとしてます。

 そして、着任から1か月を目途に、キーマンリサーチや情報提供の許諾といった顧客との接点づくりが単独で実施できるレベルを初級としています。

 次に、着任から約3~6か月を目途に、提供したい商材に関する利用・
導入状況や顧客の課題、ニーズなどをヒアリングできるレベルを中級、
さらには営業対応後のフォローや具体的な商材に関する訴求ができるレベルを上級としています。

なお、上級については、概ね着任から半年~1年を目途に育成プランを
策定しています。

 このような段階的なレベルが設定している理由として大きく2つあります。

 1つは、JOB(=プロモーション)のステージとスタッフのスキルを
マッチングさせ、成果を上げるという点。

 もう1つは、インサイドセールスの実務スタッフのキャリアデザインの
観点です。

 少しJOBについて補足しますと、インサイドセールスで行うJOBには、難易度×顧客の醸成度合によって1次、2次、3次フォローというように、JOBのレベル自体が分かれています。

つまり、JOBのステージが上がれば上がるほど、営業プロセスが進んで
いますので、より細かなニーズを理解したり、高いヒアリングスキル、
さらには、顧客のニーズに合わせた訴求活動を行うことになります。

 よって、単純なコミュニケーションスキルだけでなく、応用力が求められ、より深い業務知識や商品知識も必要になってきます。

 ですので、JOBのステージとスキルがマッチしていないと、成果が出ません。

 だからといって、全員が上級スキルを有している必要もないのです。

 それは、各JOBの対象顧客は、顧客ステータス比率から見ても、難易度の高いJOBよりも低いJOBのほうが圧倒的にボリュームがあります。

 もっと簡単に言えば、3次フォローが必要な顧客とは、見込がある顧客であり、それ以前の、まずは接点を確立しなければならない顧客や、ニーズをまだ特定できていない顧客層の方がボリュームは多く、そのフォローすることがまずは必要だからです。

 ですから、顧客の醸成と合わせて、スタッフも育成していくという発想で良いのではないと思っています。

 また、どんなに教育を施しても、全員が上級者になるというものではなく、一般的には、上級のスキルを有するのは、全体の2~3割程度、中級においては全体の8割程度としています。もちろん各レベルの定義によっても変わってくるかとは思いますが、これまでの経験値と定義でいくとそうです。 

 ですから、仮に全員を上級者に・・・、と高い目標を掲げても現実的ではなく、JOBボリュームからいっても、全員が上級者である必要もないのです。

 とはいえ、全員が初級では、いつまでたっても顧客を醸成していくことができませんから、まずは、確実にスタッフを初級→中級レベルへと育成し、そこそこみんなが上手いチームを作ることが重要ではないかと思います。

 この”そこそできる人材を作る”こと、つまり2次フォローできる人員
(=中級)を確実に育てていくことが重要です。

繰り返しになりますが、2次フォローができるということは、キーマンを特定し、顧客のニーズをキャッチし、リレーションを図りながらタイミングを見定めていくことができることですから、全体の8割の人員がこれができるのであれば、インサイドセールスとしての大きな役割は果たせるということになります。

 ここまでの内容でも十分高度だとお感じになる方もいらっしゃるかもしれません。
それは、営業経験があるとか、知識がもともとあるとか、そういうことではありません。

 全くのインサイドセールス業務初心者で、かつ営業経験もゼロ、コール業務の経験もゼロでも、可能なのです。(中級までに限っては教育で十分可能です。)

 あくまでも弊社での経験上の話ですが、インサイドセールスの功労者と過去の経験はイコールではありません。意外なことに、過去の全く営業経験も何もない人がインサイドセールスの実務者としてトップクラスになるケースも珍しくありません。

 では、未経験者でも、実績を出せるようになるために何が必要かといえば、インサイドセールス業務を正しく理解し、固定観念を捨て、素直にチャンレジしていけば、そのような結果におのずとなっていくようです。

 では、全体の8割を中級にするために、育成する側がまずやるべきことは何でしょうか。

 それは、スタッフを”信じて、期待する”ことです。
「うちのスタッフに出来るだろうか?」などと疑心暗鬼の状態では、
成るものも、成り得ません。

 まずは、今いるスタッフを信じて、期待してください。

 人は、どのような研修や教材よりもこのメッセージが一番の原動力
になります。期待されなくても成長する人もいます。それはその人自身が、自分を信じて良いセルフイメージを自ら構築できる方だと思います。

 そういう方も全体の3割程度と思ってください。

 できるようにするというのは、できるようになると信じて疑わないことです。

 なぜ、こう力説するかといえば、あまりにも、現場のスタッフを信じていない、そして、自分自身も信じていない現場の担当者が多いと感じるからです。

 決して精神論を語りたいのではないのです。

 私たちは、コンサルタントという立場でしかインサイドセールス業務には関われません。しかし、このコンサルティングという業務ほど、不確かなものはありません。

 同じ業務でも、クライアント様によって、状況や商材も様々です。
インサイドセールスの実務メンバーも私たちがアサインできるものではありません。
しかし、そのような中でも組織として立ち上げ、機能させ、結果を導くのが私たちの役目です。

だからこそ、自分を信じ、巡り合ったスタッフのみなさんの力を信じて、
期待して結果を作り上げていくしかないのです。

インサイドセールスの初期研修では、まずはそのことを、実務にかかわる
みなさんにお伝えしています。人の力は大体同じ。だから自分の能力を信じて、チャレンジすることから初めて欲しいとー。

 そして、それを応援する側、育成する立場のみなさんには、まずはスタッフを信じて、期待してください。そこが育成のスタートです。

 スター選手よりも、そこそこできるメンバーで構成されたチームはしなやかで、組織的な強さを発揮するものではないかと思います。

 みなさんは、今のスタッフを信じて期待していますか?