【Vol.79】セールスリードに必要な要素とは

メールマガジン

 最近、お問い合わせで多い業種、業態にある傾向を感じています。
その一つが、テレマーケティングベンダーや営業のアウトソーサーからの
お問い合わせがここ数年前から断続的に続いています。

 あくまでも弊社の中での傾向なので、インサイドセールスを生業とする
ベンダーの中でどうかというのは、少し異なるのかもしれません。もしか
したら弊社がアウトソーサーではなく、インサイドセールスのコンサル会
社だからかもしれませんね。

 ということは、何がここから言えるかと言いますと、これまでのテレマ
ーケティングや営業のアウトソーサーが、インサイドセールス的な仕組み
や視点を持っていないと市場のニーズに応えられなくなってきているのではないかと言うことです。

 テレマーケティングにせよ、営業のアウト―スにせよ、ユーザーから
求められることは、たった一つ。

 「質の良い、セールスリードをたくさん創出すること」です。

 これは、インサイドセールスを内製化している場合でも全く同じです。

 では、このセールスリード(案件・商談のきっかけ)の質を上げ、
コンスタントに創出・発掘していくためには何が必要なのでしょうか。

 今月は、セールスリードに必要な要素について、前回の知識の活用
と関連づけて解説して参ります。

 少し、先月のおさらいをしますと、インサイドセールスの現場でしばし
課題になるオペレーションスタッフの教育・育成があります。インサイド
セールスはいわゆる営業(フィールドセールス)と異なり、客先に出向く
ことはないので、主なコミュニケーションツールとしては電話となります。

 他にもメールやWEBなども活用しますが、双方向かつリアルタイムでの会話による柔軟なヒアリングができるのは唯一電話です。ですから、この電話でのヒアリングスキルがその後の結果を大きく左右するのもまた然りです。

 よって、インサイドセールスの実務担当者のヒアリングスキルやトーキ
ングスキルをどうレベルアップしていくかが育成担当者の最大の関心事な
のです。

 特に、インサイドセールスが効果を発揮するBtoBマーケットでは、
業務知識や商品知識のみならず、営業知識や顧客を理解するための会社
組織に対する理解等、より広範囲な知識が求められ、こうしたオペレー
ションスキルのアップは、知識に支えられているといっても過言ではあり
ません。

 しかし、その知識の習得に躍起になるあまり、「知っても知ってもまだ
足りない」と感じさせ、知識の沼にオペレーターを陥らせ、知識がないから業務できないという不安の呪縛に襲われ業務が進まない危険性があることを前回、お伝えしました。

 当然、ある程度の知識は必要だが、その知識がある程度(ある程度が
どの程度かは前号を参照ください)身に付けられたとしたら、次の方向へ
教育の舵を大きく切っていただきたいと思います。

 それが、BANT条件です。

 BANT条件とは営業ではお馴染みの用語ですね。

B=Budget(予算)
A=Authority(決裁権)
N=Needs(必要性)
T=Timeframe(導入時期)

上記の4つの英単語の頭文字をとってBANT(バント)条件と言います。

 先ほど上げたインサイドセールスにおける知識は、これらのBANT条件をそろえるために必要な知識でもあるのですが、どうもいくつかのクライアント企業を見ていると、Needsの掘下げにばかり主眼がいっていて、
全体としてこの営業に必要な要素に理解が広がっていくような研修になっていないと感じることがあります。

 インサイドセールスでどんなにニーズを掘下げても、極論を言うと、
お客様のニーズを特定することは困難だと思います。

だからと言って、所詮インサイドセールスはリレーションシップの機能
であると解釈するのは間違いです。

 そもそも、顧客のニーズというのは、よくよく確認してみないとわから
ない、特定し難いと言いたいのです。またニーズは変化するものでもあり
ますから、インサイドセールスでかなり早い段階で顧客のニーズをとらま
えたとしても、実際の商談時には別のニーズで商談が成立していることも
少なくありません。

 もちろん、ニーズは変わらないことも多々あります。

 広義の意味でのニーズは概ね変わらないことが多いです。どうしたいのか、何をしたいのか、大命題的なニーズは大概が普遍的なことです。

 しかし、狭義の意味でのニーズ、つまり具体的な提案商材は、最初に
ヒアリングした内容と受注した内容が異なることはままあることではない
でしょうか。

 つまり、広義の意味でのニーズをまずは、インサイドセールスは捉える
事ができる様にすることであり、狭義の意味でのニーズは、フィールド
セールスとの連携によって定められていくものではないかと思います。

 当然、狭義の意味でのニーズまで捉えることはインサイドセールとしての価値にもなるでしょうし、質の良いセールスリードともいえるかもしれません。

 ただし、あまりにも、狭義の意味でのニーズの掘下げばかりを意識した
教育をしていると、木を見て森を見ず・・・という現象に陥ることになりかねないといいたいのです。

 弊社はインサイドセールスの有効性や可能性を自らの経験からでも実感し、提案・推奨していますが、一方でインサイドセールスの限界やリスクもあるのも事実です。

 だからこそ、知識武装させるのではなく、効果的に組織営業をできるよう営業にベターなタイミングでパスを出せることに注力するべきだと思います。

 そのためには、ある程度の知識と合わせて、ぜひこのBANT条件を自然な会話の中からヒアリングできることが何よりも重要だと思います。

 企業における意思決定のプロセスや予算、お金の流れ、そして事業や
業務の進め方などの会社組織に関する知識とBANT条件の意味、目的が
理解できれば、十分にインサイドセールスでもヒアリングができるはず
です。

 質の高いセールスリードとは、このBANT条件が揃っているものです。

 反対に、どれほどニーズが丁寧に正確にヒアリングできていても、
タイミングが合っていなかったり、ターゲットプライスが全く合って
いなかったりすると、なかなか受注には結びつきません。

 ですから、インサイドセールスはバランスよく、ニーズだけでなく
BANT条件を揃えるために必要な知識レベルやヒアリングのコツを
レクチャーしていくことになります。

 それが難しい、大変だという声も聞こえてきそうですが、人はその
目的と意味を知れば、実践することは難しいことではありません。

 勿論、一朝一夕にはいかないことかもしれませが、知識の詰め込み
や暗記ではなく、本質的に理解させることを教育担当が諦めなければ
必ず実現することだと思っています。