【Vol.80】テクニックよりスタンス重視

メールマガジン

 ごくごく身内的な話ではありますが、少し前、こんなお問い合わせが有
りました。

 弊著「インサイドセールスの実務」を読み、自分が実現したいことがここに書いてある。なので、是非弊社で働きたいと・・・。

 話を聞けば、現在は清掃事業を手掛ける企業のコールセンター部門で
SV(スーパーバイザー)として勤務しているとか。日々の実務の中で、
営業との橋渡しをしているが、アポイントありきのコールに違和感を抱い
ていたと言います。

 その実態を打破したく、アウトバウンドに関する本を読み漁っている
うちに、「インサイドセールスの実務」に出会ったとのことでした。
何度も読み返したと思われるその本は、使い込んだ辞書のように膨張し、
その切実さが伝わってきました。
 企業様からのコンサルティングに関するお問い合わせも、当然嬉しいものですが、このように、実際の現場で類似した業務を行っている方からの
オファーは、実はそれと以上とも言えるほど、嬉しいことです。

 さらに、いろいろ話を伺っていると、インサイドセールスの実務的な
スキルアップをしたいというのが、目の前の目的だったようですが、
そこで1つだけ、伝えしたいことが浮かびました。

 それは、コールスキルだけではインサイドセールスを成功させることは
できないということです。

 情報管理やCRMへの理解とノウハウ、そしてまさしく、お客様との
コミュニケーション技術、そしてマーケティング的な視点と営業の立場を
理解した柔軟性・・・etc。それらを理解しながら、企業様でのインサイド
セールスを仕組みとして構築し、実践していくことで、売上拡大につながるからです。

 ただ、今回、弊社の門を叩いてくれた方が興味を持ってくれたように、
支援している企業様の現場でも、どうやってお客様と継続的にコミュニ
ケーションを図っていくか、その企画そのものやスタンスの取り方など
についても悩まれているケースが見受けられます。

 概念や仕組みとしてインサイドセールスを理解したとしても、では、いざ実践としたとき、どうやるのか。どうやったらうまくいくのか。
この点でのノウハウやスキルアップの支援を求められます。

ということで、今回は、インサイドセールスの実務におけるスキルアップ
の根本的な要素、インサイドセールスにおけるスタンスについて解説して
参ります。
 弊著でも書いていることですが、インサイドセールスには特別なテクニックがあるのでは?と、思われることがありますが、それは誤解です。

 確かに、現場に入っている弊社の社員はコール経験もありますが、
実質的にはたかだか3年程度です。コンサルタントという立場で支援をしていますので、それほど多くの件数や時間ではありませんが、今でもクラアイント企業様にて、テストコールやサンプルコールという名目でコール業務は体験するようにしています。

 手前味噌になりますが、多少のブランクがあったとしても、その業界に不慣れだったとしても、弊社スタッフにおいてその品質、実績は今のところ色褪せることはありません。

 その理由は何か。

 それが、「スタンス」ではないでしょうか。

 
確かに、ビジネストレンドをよく理解し、経営に近い立場の方なら経営の
視点を織り交ぜながらヒアリングし、相手が現場に近い立場の方なら、
業務に直結する課題などを提示しながら話をします。

 そうしたことはテクニックといえば、テクニックかもしれません。

 しかしながら、経営に近い立場であっても、その方が、現場に近い課題を出された場合は、業務に直結する課題にもちろんピントを変えます。
また、相手が興味関心を示さなければ、それ以上に無駄に話すことは
ありません。

 この差は何でしょうか。

 それは、常に顧客に寄り添うスタンスであるということです。

そしてそれは、単純に話を合わせるという程度のことではなく、
本当にそのお客様が何を求めているか、その立場や置かれている環境など
をよく聞いて、自分なりに理解しながら発問したり、事例を提示したり、
相槌を打っているのです。

 ですから、”こういう時はこう”だとか、”ああいわれたこういう”と
いったトークマニュアル的なものはありません。

 だた、このシチュエーションでこのメッセージを言うということは、
背景としてこんなことが考えられるかもしれない、という想像をし、
問いかけることはします。

 そしてその問いに対する答えがYESならば、さらに、その背景から、
具合的に顧客のニーズにリーチしていくように、トークを展開していきます。

 もし、答えがNOであれば、自分の理解が異なるので、訂正を求めたり、顧客がいうところの意味を教えてもらうなどをします。

 そこに、上手い言い方も、流暢さも本質的には関係ありません。いかに、顧客の立場に近づいて物事を考えたかということでしかありません。
 もちろん、BtoBの場合、相手はビジネスパーソンですから、
その時々のビジネス環境やトレンドなどを理解しておかなければ、
話はかみ合いません。また顧客の声から、背景としてあることや、
課題の原因となることを想像することはできないでしょう。

 そういう意味で、常日頃からビジネスパーソンと同じように、
ビジネストレンドや顧客の業界のことを多少なりともインプットし、
理解できるよう準備しているのです。

 日々、そうした自主学習を続けている実務担当者は、どんどん顧客の
声から学び、理解を広げていくことができます。時には専門用語や
ビジネス用語も飛び出してきますが、だいたい理解することができます。

 そして、この本質的な部分はたとえ業界が変わろうとも
顧客が変わろうとも大きな意味では違いがないので、応用が利くようになるのです。
 この顧客に寄り添うというのは、もっと簡単に言えば、
顧客を理解するということに尽きます。顧客を理解できれば、
自分たちのサービスがどう役に立つのかも理解しやすくなりますし、
数あるラインナップの中でどれが当てはまりそうかも見当が付き易くなります。

 ですから、応酬話法マニュアルも不要ですし、トークスキル云々では
ないのです。

 これまで、弊社で支援してきた企業様でも、決して流暢でもなく、
お客様の業界のこともそれほどわからない人でも、顧客を知ろうと
丁寧に会話をしていく人は、結果的にセールスリードを多く創出します。

 お客様も自分に真剣に向き合おうとしている人を邪険にすることは
実はありません。例え、営業的にいうところの良い話に至らなかった
としても、お互いが理解しあえたという感覚をもって、その会話を
終了することができます。いわゆるガチャギリなどがないのです。

 そうすると、当然、対話をしているインサイドセールスの実務担当者
にも、お客様にもストレスが少なくなります。そのため、次のコールで
もその経験が素直に活かされ、落ち着いて対応ができ、どんどんスキル
アップしていくのです。

 ですから弊社は、コールスキルアップとしてのテクニック的なことは
伝えることはしていないのです。それよりも重要なことは、この顧客を
理解して、ビジネスパートナーとして役立てるよういつでも顧客に寄り
添うスタンスを養うことではないでしょうか。