【vol.92】 潜在的なニーズにリーチする

メールマガジン

 インサイドセールスは主に商談の機会を創出することを目的として、日々、顧客へのアプローチを電話やメール、Webなどを通じて行っています。

 これを、顧客醸成(=ナーチャリング)などと言います。もしくは、そのための具体的な活動をセールスプロモーションや販売促進などとも表現されます。

 商談機会作ることは、顧客との接点を確保し、キーマンを明らかにし、そして顧客のニーズ把握していくことになります。そして、そのニーズが具体的であり、かつ自社の商品やサービスと合致するものであれば、その顧客は見込客となり、提案の了承を得ることが出来れば、めでたく商談機会が創出されたことになるでしょう。

 こうしたいくつかの段階を経て、商談化していくこのプロセスを、顧客醸成プロセス、もしくはナーチャリングプロセスと言います。

 弊社では、この顧客醸成のプロセスを大きく3段階に分けています。

 まずは、コンタクトラインの確立をするための、キーマン把握であり、定期的な情報提供を行う段階です(第1フェーズ)。この1次フェーズでは、企業が提供したい商材を検討する部署やパーソンを特定し、そのパーソンに継続的にコンタクトできるよう、情報提供の許諾を得たり、そのためのメールアドレスを確認したりします。

 次に、その顧客にニーズがあるか、またそのニーズに応え得る自社のサービスは具体的に何か、サービススペックやターゲットプライスなどを確認していく段階があります。(第2フェーズ)

 さらには、具体化したニーズに対し、フィールドセールスとの橋渡しを行う段階が第3フェーズです。ここでは、自社のフィールドセールスの提案が実のある提案になるようできるよう、詳細スペックや、決定要因、より詳細な検討スケジュールなどを確認しながら、検討のテーブルへフィールドセールスを送り込むための承諾を得ます。

 こうした醸成プロセスの中で、一番苦労するのが、第2フェーズでの、「ニーズの把握」です。

 一般的に、顧客のニーズは、課題や要望、また興味関心事項がニーズの種です。これらを何とか導きだしたいのですが、ヒアリングしても顧客の多くは「特に困っていない。」や「これといって課題はない。」などの返答がほとんどでしょう。仮に、課題があったとしても、「まぁ、色々あるけどね。」とだけつぶやき、その内容については明言しないということが多々あると思います。

 インサイドセールスは、商談のきっかけとなる、ニーズをなんとか導き出したいのですが、なかなかそう簡単にはいかないようです。

 それは、なぜかー。

 インサイドセールスでは、商談化する前の、ニーズが顕在化していない顧客へアプローチすることが多いためです。ニーズが顕在化している顧客は、付き合いのある営業担当へ相談したり、課題を解決してくれそうなベンダーへ問い合わせをしたり、セミナーへ参加したり、資料請求するなど、何らかのアクションをします。

ニーズが顕在化していない顧客、つまり潜在的なニーズを持つ顧客は、そのニーズに対して無自覚であったり、あるいは、課題と認識していても優先順位がそれほど高くないため、ニーズがあるのかどうか、わかりにくいものです。

 もし、インサイドセールスが、現在化したニーズを得るだけで良いのであれば、単純に「○○のニーズはありますか」と聞いて回ればよいのです。恐らく、それでは、商談数は期待値には及ばないでしょう。それでも、たまたまタイミング良く、商談になることもあるかもしれません。

 しかし、それは、あるかどうかも定かではないハプニングを期待するようなもので、営業施策として非常に軟弱なものでしかありません。

 インサイドセールスでは、継続的に安定した実績を出す仕組みです。そのために、潜在的なニーズにリーチして、ニーズを喚起することが必要です。では、このニーズを喚起するために、何をどうしたらよいのでしょうか。

  単なる商品説明をすることではありません。営業訪問の承諾を得ることでもありません。ニーズを喚起するということは、こうだったらいいなという姿=将来像・ビジョンや、こうした方がよいのではないかという気づきを与えることです。 

 つまり、顧客がこうだったらいいな、こうしておいたほうがいいなというそのニーズを想定して提示する事です。しかし、ここでもう一つの問題が発生します。どうやって、そのニーズを想定するか、仮説を立てるかー。

  さらには、この想定したニーズが的を射てなければ、「今、なぜその話なのか?」という疑問や不信感を与えることにもなりかねません。また、通り一遍の話をされたところで、ニーズは喚起されないままです。 

 つまり、顧客が「なるほどそうか!」と思える仮説、「確かにそれは一理あるな・・・」と思えるニーズを想定することが重要なのです。

   しかし、インサイドセールスは特定の担当を持たず、広く様々な顧客にアプローチ出来ることがメリットでもあるため、アカウント営業のように、1社1社の顧客にそれほど詳しいわけではありません。目の前の顧客を知らずして、ニーズを喚起すべく的を射たニーズを想定できるかと言えば、それは無理でしょう。 

 そのような状況の中、どうやってインサイドセールスはニーズを喚起していくのでしょうか。

  そのヒントがプロファイル情報にあります。弊社では、営業的なニーズやポテンシャルを判断するための基礎的な情報をプロファイル情報と言います。一例をあげると、該当する商品やサービスの導入状況や利用状況がそれにあたります。既に普及している商品やサービスであれば、自社製品かどうかは別として導入している顧客が多ければ、その導入状況を確認することでニーズがわかります。

 今まで世の中に流通していないような新しいサービスの場合は、それを導入するとメリットを感じる環境や要素を示す情報がプロファイル情報になります。ですから、プロファイル情報は提供するサービスや事業内容によって、異なります。

 このプロファイル情報をヒアリングすることで、ニーズの有無はもちろんのこと、ニーズ喚起をする材料やヒントが得られるのです。よって、インサイドセールスで実行するプロモーションには、このプロファイル情報の収集が随所に盛り込まれ、そして、その結果が意味することを現場のメンバーへ共有し、そして、そのプロファイル情報から想定できるニーズが何かを理解していくことが求められます。

 さらに、もう1つ、ターゲットとなる顧客の層(業種や規模感などの傾向)によって、ニーズもある程度の傾向がつかめます。弊社では、顧客の規模を示す年商や従業員数、業種など、いわゆる顧客の基本的な情報をプロフィール情報と呼んでいます。

 これらの2つの情報をもとに、ニーズを想定し、想定したニーズを顧客に提示し、妥当性を確認しながら、最終的に潜在的なニーズにリーチしていくのです。

 こうしたことをプロモーションで展開できるような設計と現場スタッフへの教育があって、はじめて顧客のニーズは顕在化され、商談化へのステップにつなげることができると考えています。

 みなさんは、潜在的なニーズにリーチしていますか。

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