【Vol.104】インサイドセールスBPOの選び方

メールマガジン

 インサイドセールスの普及に伴い、徐々に広がりを見せているインサイドセールス関連サービスですが、その最たるものがインサイドセールスBPOではないでしょうか。

 BPOとはビジネス・プロセス・アウトソーシングビジネス(Business Process Outsourcing)の略で、簡単に言えばアウトソーシングビジネスのことです。事務処理業務やプログラミング開発、コールセンター業務などが代表的ですが、インサイドセールスBPOとなれば、インサイドセールス業務のアウトソーシングとなります。

 インサイドセールス関連のBPOとしては、多くのリソースやノウハウが必要とされるコールオペレーションを筆頭に挙げられます。この他、顧客情報を管理するSFAやCRMソフトをクラウド利用する場合もBPOに含まれます。この他、コンテンツマーケティングなどにおけるコンテンツ作成や情報発信に関する一連の業務もインサイドセールスBPOに入ります。

 インサイドセールスの効果を知り、さあ導入しようとしても、全てを社内のリソースで賄うことは非常に負担が大きいです。そのため、インサイドセールスBPOを活用する企業も多いことでしょう。

 そこで今回は、今後ますますニーズの高まりが予測されるインサイドセールスBPOとそのベンダーの選び方について解説して参ります。

■インサイドセールスBPOベンダーの選び方1 ~BPOのタイプ・系統~

 インサイドセールスBPOと一言でいってもその成り立ちは様々です。インサイドセールス自体の国内での歴史は浅く、オリジンのサービスにインサイドセールス業務を付加したケースが多いのではないかと思います。そこで、選び方の手始めとして、どのようなタイプ・系統のインサイドセールスBPOベンダーがあるかを整理してみたいと思います。

 ①テレマーケティング系BPOベンダー

 オリジンの事業がテレマーケティングやコールセンター業務のBPOベンダーで、コールセンターを持ち、多くのコールスタッフを抱えている。強みは人と環境は既にあるため、実施するプロモーションの企画やターゲットリストなどが揃えばすぐにスタートできる。人材派遣をオリジンとする場合もこのカテゴリーに含まれる。

②セミナー系BPOベンダー

 オリジンの事業がイベント企画やセミナー開催であり、イベント関連に必要なリソースと開催後のフォローがセットになっているようなサービスが強みである。セミナーやイベントの企画立案から集客、開催、フォローまでイベントを軸とした一連の業務がアウトソース可能なためイベント型のプロモーションから始めたい場合には良いでしょう。

③システム系BPOベンダー

 これはSFAやCRMソフトの提供が主軸となるBPOベンダーです。そのBPOベンダーが提供するSFAを利用することが前提で、そこからの派生業務として、登録データへのクレンジングやスクリーニングなども行うといったものです。SFAの活用を継続してもらう(あるいは進める)ために付加的にスクリーニング業務を請け負ったり、活用事例をセミナー形式で伝授するなどを行ったりする場合が多いようです。自社内でインサイドセールス業務を行っている場合は情報管理と連動したノウハウがあるところが強みです。しかし、まだシステム系BPOベンダーの中でインサイドセールスの実務を含めてサービス提供をしているのは少数であり、システム開発中心が多い印象があります。

④コンサル系BPOベンダー

 インサイドセールスの業務設計や体制、運用ノウハウなどのコンサルテーションと合わせてコールオペレーションなどを請け負うBPOベンダーです。インサイドセールスの立ち上げから運用まで丸ごとアウトソースする事が可能であることが最大のメリットです。但し、現状はインサイドセールスに関するコンサルティングが出来る会社がまだそれほど多くなく、合わせてコールオペレーションの質を考えると極めて限られていると思います。

⑤デジタルマーケティング系BPOベンダー

 マーケティングオートメーションシステムやコンテンツ作成などのサービスが充実しており、それらによって生成されたリードへのフォローも含めたBPOベンダーです。デジタルマーケティングを中心としたインサイドセールスを構築したい場合には良いでしょう。

 現状、日本におけるインサイドセールスBPOベンダーは上記の5つの系統にカテゴライズされるのではないかと思います。それぞれの強みがありますので、自社内にあるリソースやノウハウと合わせて各種インサイドセールスBPOベンダーを選ぶのが基本かと思います。

■インサイドセールスBPOの選び方2~今のステージを踏まえて~

 さて、インサイドセールスBPOの選び方の2つ目として、「今のステージを踏まえる」ということです。先に説明したインサイドセールスBPOの種類よりも、実はこちらの方が重要です。といいますのも、テスト的に自社内でインサイドセールスをやってみたことがあるとか、既にシステムは営業部門中心に活用を始めて数年経過しているとかでアウトソーサーにもとめるものが異なるからです。

 一般的に、自社内でインサイドセールスをトライしたことがある場合は、基本的な仕組みや考え方がある程度根付いているケースが多く、もっと活動を拡大したい、インサイドセールス業務のレベルアップを図りたいというニーズが高いです。昨今のSFAの普及もあり、情報管理に関する一定のノウハウを持っているケースも多く、このような企業は、④コンサル系BPOベンダーがマッチしやすいと思います。

 現業務のアセスメントをしてもらいつつ、改善点や出来ている点を第三者的に評価してもらい、その上で強化するべきところ補うべきところを明らかにして、どの部分をBPOベンダーに依頼するのかを決めていくのです。

 すでにインハウスでのインサイドセールス業務の改善点なども明確化されている場合などは、その課題に合わせて強みを持つBPOベンダーを選ぶというのでももちろん構いません。ただ我流で行っている場合には見えてこなかった視点やアドバイスを受けられるメリットもあるため、BPOベンダーまた別に検討したとしても、コンサルを受けることは一定のメリットがあると思います。

  さらにインサイドセールス業務は軌道にのり、昨今のデジタルマーケティングを強化したい場合は、⑤デジタルマーケティング系BPOベンダーも良いでしょう。但し、コンサル系BPOベンダー以外は、オリジンの事業には突出したノウハウがあるものの、インサイドセールスを含めたトータルでのサービスにはやや見劣りする場合も少なくはないので、そこは見極めが必要です。

  また、ゼロからのスタートの場合は、とにかく小さく初めて、何らかのデータなり結果をもってからBPOベンダーを選ぶのがよいと思います。いきなりBPOベンダーを活用するのではなく既存の社員などでトライアルすることをお勧めします。その理由としては、様々なBPOベンダーがおり、各社魅力的な提案をしてくれると思いますが、判断基準がないと選べないという事が起こり得るからです。

 まずは自分たちでプロモーションを企画し、メールやコールなどでアプローチしてみると良いでしょう。そしてその結果を評価・検証するとかなり色々なことが見えてきます。その結果をもって、インサイドセールスBPOベンダーを見れば、依頼すべき内容もレベルも検討がつくと思います。最初からうまくいくことはないと腹をくくり、自分たちで実践し、自社内では何か不得意か(不足)しているかを良く把握した上で相談することがインサイドセールスBPOベンダーの力量を見抜く目を持つことになります。

 自社内で始めるにしても、何をどうしたらよいかわからない場合は、インサイドセールスコンサルティング会社に相談するか、インサイドセールスセミナーや本などで学び、ひとまずやってみることが重要です。 

■インサイドセールスBPOの選び方3 ~期間と費用~

 インサイドセールスBPOの選び方の3つ目は、期間と費用です。もちろんこれは、インサイドセールスの「どの業務を委託するのか」という事が決まっていてのことにはなりますが、どれくらいの期間BPOベンダーを利用するのかとその費用によって決定していくことは、これは当然でしょう。

 その際、まずは期間的なものを少し慎重に考えたいものです。もちろん、BPOベンダー側としては契約期間を長くしたいですから価格的にも短期よりも長期の方がコストメリットの高い提案をしてくるでしょう。依頼する側もコロコロBPOベンダーを変えることは避けるべきだと思います。とはいえ、継続して依頼したいBPOベンダーかどうかはやってみないとわからないというのが正直な感想です。

 弊社は、インサイドセールスに関するBPOサービスは原則行っておらず、コンサルティング専門です。ご要望に応じてパートナー企業と連携してBPOサービスも提供は可能ですが、そのため必要に応じてBPOベンダーを活用することをこれまでの間繰り返してきました。

 その結果、一緒に業務をしてみて何がどこまで出来るかが良くわかります。最初から大きな依頼をするよりは、単発で依頼して様子を見て、手応えを感じたらいよいよBPOベンダーとしての契約をするという手順を踏むのが理想です。最初の単発業務を複数のBPOベンダーに依頼するというもの良いと思います。

 少し、生意気なことを言わせていただくと、インサイドセールスのBPOベンダーの業務レベルはかなり差が激しく、提案ではわからないことたくさんあります。

 価格も高いから良い、安いから悪いという訳でもないですし、営業マンは素晴らしい提案をしてくれたが、実務レベルは其れに釣り合うものではないということもあります。少し実践した結果を踏まえて価格も判断した方がよいというのが持論です。繰り返しになりますが、最初は小規模、単発で発注し、実力を見極めて長期の契約をお勧め致します。

 まとめとして、昨今のインサイドセールス需要の高まりにより、インサイドセールスBPOベンダーも増えています。すべてを内製化する企業様も少なくはないですが、それはもともとコールセンターを保有していたとか、何からのポリシーがある一部の企業ではないでしょうか。

 インサイドセールスBPOを利用することは、その大小を問わず、今後ますます広がっていくことでしょう。是非、よきインサイドセールスパートナーを見つけ、インサイドセールスの効果を最大限に享受していただきたいと思っています。

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