【Vol.10】 営業に潜むリスク

メールマガジン

 年末のこの時期、年内中に売り上げたい、受注が欲しいということで、どの企業も戦々恐々としていることと思います。しかし、この売り上げたいという気持ちが、時にとんでもない事件を引き起こすことがあります。

 先月、営業にまつわるこんな記事がありました。「ファミリーレストランで約21時間、男性にマンション購入を迫り、無理やり申込書にサインさせたとして、新潟東署は28日、強要容疑で、不動産会社社員を逮捕。」

 この記事を見て、この不動産会社の社員がおかしいと思いますか。それともこういうやり方を黙認している会社がおかしいと思いますか。

 私はそのどちらでもないのかなと。というのは、営業という領域で、ある力学が働くとこうした事態が誰にでも、どの企業にでも起こりうる 危険性があるからです。

 このある力学とは、資本主義社会における企業の定義に起因するもので、利潤を追求する団体である企業が、その責任を組織から一個人に求めようとしたときにかかる圧力です。

 もっとわかりやすくいえば、営業としての成果を営業社員に強烈に求め、その手法までもを営業に依存し過ぎた場合に発生するプレッシャーとでもいいましょうか。

 もちろん、この事件の真相には、社員のモラルの欠如もあるでしょう。しかし、どんなにモラルが高い社員でも個人に対する圧力がそれを超えるものであれば、結果として、そのエネルギーは、個人の内部に向けられ自己犠牲に陥るか、顧客などの外部に向けられ、先ほどのような事態に なるかだと思います。

これは営業の怖さであり、営業におけるリスクだと思います。

 それゆえ、企業として営業方針や理念をきちんと決め社員に徹底しておく必要があります。これは、理念やカルチャーといった精神・文化論だけでなく、営業プロセスとして仕組化しておく必要があると思います。 

 現状、まだまだ営業的成果を個人の力量に依存している企業が少なくないと思います。

 もちろん、個人の創意工夫やパーソナリティを発揮することは多いに結構なことです。それこそ「営業冥利」という言葉があるように、顧客から信頼され、自分の人間性までも認めてもらえた時の感動は、計り知れないと思います。しかしながら、一方で営業上の脅威やリスクを忘れてはなりません。

 常に営業担当は変わりゆくものであり、そして企業の状況によって目標数値も変動します。そして、お客様の状況も絶えず変化していきます。

 そのような中で企業が成長し続けるためには、顧客視点に立った営業プロセス作り上げていくことではないでしょうか。

とはいえ、どうしても企業側の都合で、しかも目先の売り上げだけにとらわれがちです。だからといってどんなに執拗にアプローチしてもダメなものはダメで、それよりも普段から1つ1つ顧客の小さなニーズに応えていくしかないと思います。その積み重ねがやがて顧客に支持され、結果的に売り上げにつながるのだと思います。

こうした営業活動は、営業一個人だけで継続して行うことは、なかなかか難しいものです。営業そもそものミッションや体制の面、もちろんそれ以外にも理由はあります。

手前味噌になりますが、インサイドセールスでは、それが実現可能ではないかと思っています。それは、インサイドセールスが、根本的なスタンスが違うということと、営業ほどの販売管理をかけなくてもできるい手法だからです。しかし、最終的な成果の部分ではもちろん営業の力が必要であることも事実です。

営業は、とても素晴らしい仕事です。顧客と企業がパートナーシップを築き、共存共栄し続ける、そんな姿を営業とインサイドセールスの連携で実現したいと思っています。