【Vol.28】 データベースの底力

メールマガジン

インサイドセールスに欠かせないものと言えば、顧客データベースです。インサイドセールスは、営業(フィールドセールス)との分業体制を基本とするため、互いの情報を共有する場が必要になります。

 また、インサイドセールスは、データベースに蓄積された顧客情報を元に、顧客を分類し、顧客を一定の塊として見ながら、その顧客群にあったテーマやチャネル、タイミングでアプローチを図ります。そのため、 インサイドセールスの活動の指針となるのも、やはり顧客データベースです。

 今回は、昨年から四苦八苦しながらも、データベースを構築し、顧客データの統合を実現したクライアント様のお話です。

 研修機関であるこのクライアント様は、何十年も前から研修の実績データを管理していました。しかし、その実情は、講座別、用途別に、それぞれの担当者がExcelや紙で管理していました。

 過去の実績企業数は約千社。そこへ、営業活動を通じて接点を持った企業も加えると約3千社の情報がありました。しかし、この数字でさえ、判明したのは、データベース化した結果です。

 もちろん、毎年作成する研修のパンフレットに実績を掲載するため、大体の取引企業数等は把握していたそうですが、その実績を出すのも一苦労。過去営業した企業情報管理に至っては、名刺の数が相場だと思っていた程度です。

 そんな状態が、今やデータベースを開くと、企業別に過去の研修実績が年度別、受講講座別で受講者人数が一目瞭然になりました。そして、データベース化した後で、得意先からこんな電話がありました。

「そういえば、過去にうちの会社で○○講座は申し込んだ事あったかな?」
と言われ、電話を受けた担当者は、すかさず、
「はい、昨年の○月○日に、××様(電話の本人)よりお申し込みを2名でいただきました。」と答えました。
すると、「ああそうだったね。でも、どうしたの、対応がなんか変ったね。」と。

 そうです。以前は、過去の研修実績を調べるにも、「少々お待ち下さい。」 と保留音にして、あっちのファイル、こっちのExcelを見て、それで出した回答が、
「2名くらいだった…と思います。」という状態でしたから、お客様が驚くにも無理はありません。

 この結果、得意先の信頼感がアップしただけでなく、業務効率も各段に良くなりました。

 また、得意先に訪問する際のスタイルも変化しました。

 営業は、顧客へ訪問する際に、企業別に過去の研修参加実績表を顧客データベースから出力し、それを持参し、過去の実績をお客様に伝えるようになりました。

すると、先方の担当者が変わった場合でも、過去の実績を見て、
「こんなにお世話になっていたんですね。では、やはりお宅にお願いしようかな。」
となるケースが増えたそうです。

 これもよくある話ですが、どれだけ過去に客先の担当者と太いパイプを作っていたとしても、その担当者が変わるとその関係をリセットされてしまう。そして、新担当者が持ってきた別のパイプにつながれてしまうということです。

 もちろん、過去の実績表を見せたからといって、全てが上手くいくというわけではありません。しかし、少なくとも、顧客との関係を示す一つの材料になり、顧客の事情を良く理解していることを証明し、依頼しやすい状態を作ることになるでしょう。

 さらに、このクライアント様では、これからチャレンジしようとしていることがあります。それが、データベースマーケティングによる販促活動です。

 過去の実績は、随時、データベースに蓄積されます。これもある程度自動化しました。そして、営業が各企業へアプローチした結果も逐一反映されています。すると、新規と既存それぞれの関係性がタイムリーに把握できるようになってきました。

 その結果、今後は人材育成に関する顧客の課題別、あるいは、過去の研修実績(参加者の傾向や受講内容.etc)から次の研修を提案できるようにしていきたいと思っています。

 データベースを軸に営業スタイルを変革し、より顧客ニーズにマッチした営業活動を繰り広げていくのはそう遠い将来ではなさそうです。

 「ずっとやりたかったことなんです。」
と力説するクライアント様の期待に満ちた言葉には、データベースの底力を感じているようでした。