【Vol.58】意思決定プロセスを理解する

メールマガジン

 先日、とあるBtoBマーケティング支援事業を行うベンダー様と
インサイドセールスのコールプロモーションにおける品質について
談義する機会がありました。

 その際、そのベンダー様もおっしゃっていましたが、インサイドセールスのコールプロモーションは単なるアポ取りや1回のコールで全てを判断するものではなく、顧客関係を築き、中長期的な視点で商談機会を創出していくという目的のもと展開されるものです。

 そうすると、これまで一般的に行われてきたような”売れる・売れない”
を短期的に見極めるようなテレマーケティングではなく、いかに商談に
つながる筋道を作れるかということに重点がおかれたアプローチになります。

 すなわち、商談につながるための正しい筋道を作るためには、細かい
確認や判断が必要になってくるのですが、その細かい確認や判断を的確に
行えるかどうかがインサイドセールスの品質を決めることであり、正しい
アプローチができるかどうかは、企業における
”意思決定プロセスへの理解”
が必須であるという点でピタリと意見が一致しました。

 そこで、今月はこの”意思決定のプロセス”に対する理解の重要と
それをいかに現場のスタッフへ教育していくか、という点について解説
していきたいと思います。

 この意思決定プロセスへの理解は、営業上、BtoBのみならず、
BtoCにおいても重要なことは明白のことです。「売り買いする」
ということは、意思決定の結果であり、そのプロセスを理解しなければ、
受注はおろか商談機会を導くことはできません。

 インサイドセールスは営業効率を高めるために、分業体制を取ることが多く、また総じて営業プロセスの前工程を担います。それゆえ、顧客接点づくりやニーズの把握など一見、商談に直結するアプローチではないように映るかもしれません。

 しかしながら、商談化の道は最初の接点づくりから始まっているものであり、最初の一歩を間違えてしまうと、当然、商談化への道は遠のいてしまいます。

 ですから、インサイドセールスは、この意思決定のプロセスを理解し、
アプローチを進めることが非常に重要なのです。

 また、この意思決定のプロセスそのものを理解するには、さらにその前提として理解しておく事項があります。

 それは、企業における”人・モノ・カネ”の動き、役割です。

 企業における意思決定プロセスとは、言い換えれば”人・モノ・カネ”の
動きや役割を組織的に定型化したものと捉えることができると思います。

 企業で意思決定するということは、必ず複数の人や部門が登場し、
検討事項を確認し合い、予算を確保し、実行に移ります。
意思決定のベースになる事業方針や検討のきっかけはトップダウンであったりボトムアップであったりとその内訳は様々ですが、検討事項として共有された後の流れは大体同じです。

 ですから、企業における人・モノ・カネの動きや役割を理解できれば、
意思決定のプロセスは、容易に理解できるはずです。

 BtoCにおいても、その根本原理は同じです。但し、BtoBの方が
組織的な判断を要しますから、より大がかりで複雑といえるでしょう。

BtoBでは、動く金額も大きいですし、その結果の影響も大きいため、
どの企業も慎重かつ適正な判断となるよう組織的な意思決定プロセスとなります。
そのため部門をまたぐこともあり、登場人物も多くなります。そのため、それぞれの部門や担当者の役割を理解していないと意思決定プロセスそのものの理解が困難になります。

 いわゆる営業職の社員などは、顧客を総体的に対応していく中で理解したり、あるいは自らが組織の一員となり意識決定に関与したりすることで体験的に理解を深めることができます。

 ところが、インサイドセールス部門をアウトソーサーで担う場合や、
プロパーの社員以外で構成するような場合、意思決定に関与したり
その事例を見たり聞いたりする経験が圧倒的に不足するため、
意識的に教育や研修を行う必要があります。

 本来、体験的に理解することが望ましいのですが、実務でその機会を
待っていては、育成に時間がかかってしまうので、ある程度は
知識で補い、疑似体験で考える癖や判断する機会を与えるしかありません

まず知識的な部分では、

  ①意思決定に関与するパーソンの立場・役割とはどういうものか
  ②意思決定におけるスケジュールの考え方、捉え方
  ③企業におけるお金の動き、予算の取り方

を理解できるように人・モノ・カネについて説明し、
あとは、実際の顧客の声を事例として活用し、検討に関する状況等を
判断するための演習を繰り返し行います。

 こうした教育や育成も非常に重要であり、インサイドセールスにおける
ルールやフローだけに頼らず地道な育成がインサイドセールスを支えていると言えます。

 インハウスの場合、こうした教育や育成は比較的行い易いのですが、
アウトソーサーでもこのような視点を持ってサービスを提供できるベンダー様を増やしていきたいと切に願っています。