【Vol.69】履歴を見れば全てがわかる~履歴チェックの効能~

メールマガジン

 インサイドセールスの現場業務の一つに「履歴チェック」なるものが
あります。これは、コールスタッフが架電した履歴内容(結果データ)を
第三者が確認する業務です。

 確認する内容は、主に4点あります。

 まずは単純にルールにのっとり正しく入力されているか(コール結果、
キーワード入力)について。2点目は、営業へ引継する場合のセールス
リードの判定が正しくなされているか(セールスリード判定)。3点目
は企画したプロモーション内容が設計通り実行されているか(実現性)。
そして4点目は、全体の内容に矛盾がないかどうか(内容の整合性)
です。

 実現性については、履歴だけでは判断しかねる場合があるので、音声
データ(録音データ)を確認するとより正しい判断が出来ますが、
音声データの確認は非常に時間がかかりますので、まずはざっくりと
履歴でチェックをします。履歴に残されていないのであれば、結果論
として実行されていないのも同じです。

 インサイドセールスは組織営業であり、自分以外の第三者に分かり
易く伝えることが求められます。たとえ、実際のオペレーションで実行
していてもその結果が残っていないのであれば、第三者はその結果を知
ることはできません。つまりそのプロモーションは企画はしたものの、
実現できていないとなるわけです。

 また、内容の整合性という点では、セールスリードの定義と合わな
い場合や検討事項はあるものの、それを裏付ける根拠になる情報が不足
している、もしくは相対する内容が混在して矛盾を感じるケース等が
あります。これでは、情報を引継いだ営業は対応に困ってしまいます。

 このようなことが起こるのは、大概、コールスタッフが顧客の声に
表される”意図”や”状況”を正しく理解できていないためです。
そのため、途中の言葉が抜け落ちたり、捉え違いをしているので、理
解しているものが見ると矛盾を感じる文面になってしまうのです。

 こうした課題をすぐさま見つけ出し、オペレーションルールの徹底
や知識の提供、スキルアップの研修等を行い、インサイドセールスの
実務の精度を上げていく必要があります。

 これらの業務は、主に現場に近いスーパーバイザーが行うのですが、
場合によっては、企画や品質管理担当者(センター化しているような
比較的大規模な組織の場合)が行うこともあります。

 実は、この履歴チェックは、最初は現場のコール品質管理という
側面から始めたことでしたが、やってみると今のインサイドセールス
の有様がまざまざと見えてくることがわかりました。

 そしてこの履歴チェックが、運営する側にとってかなり大きな意味、
効能をもたらすこともわかってきました。

 では、この履歴チェックでわかる事柄と運営側にとっての効能に
ついて解説していきましよう。
●個人・組織・サービス面などのあらゆる課題が見える

 まず、インサイドセールスのコール業務において、履歴はコールその
もののアウトプットになるわけですが、企業がもつあらゆる課題に気づ
くことがかなり多くあります。

 どのような課題かと言いますと、

①インサイドセールススタッフの課題(スキルや知識不足等)
②企画の課題(ターゲットと仮説が合っていない等)
③情報管理の課題(顧客情報を管理するシステムやルールの問題)
④営業上の課題(営業の未フォローや営業体制や態度の問題)
⑤製品・サービス面での課題

というものです。

 ①~③はインサイドセールス部門内部の課題と言えます。

 組織を新しく立ち上げ、インサイドセールス業務を設計し、運営して
いく中でよくありがちな課題が見えてきます。情報管理の課題は、業務
とのズレがあるままに進めていくと後々、致命的な課題になりかねない
ので、早い段階で課題を把握し修正しておく必要があります。

 また、実際のコールを通して、顧客の声に触れますので、顧客満足度
に関わる内容を紐解くことにもなり、結果的にフィールドセールス
(営業)の体制や対応面での課題であったり、製品・サービスそのもの
の改善点が見えてくることもあります。

 このように、インサイドセールスの運営面のみならず、営業力全般や
製品・サービスに至る課題までを知ることは、会社全体の経営に関わる
改善にもつながるため、非常に意味のあることだと思います。
●インサイドセールスの実力が分かる

 そして、これらの課題内容から、今のインサイドセールスの実力を評価
することができます。つまり、実際のインサイドセールスの現場でどこ
まで実現が可能なのか、あるいは成果を出すために何が(スキルや知識、
ツール等)必要かの判断がつきます。

 となれば、スタッフを育成するための教育プログラムを整えることが
出来ますし、現状の実力を加味して、無理のないプロモーションの企画
、設計できます。

 もちろん、会社として求めたいことが、現場の力量によって小さく
なることは歓迎すべき事ではありません。しかし、理想を描いても、
実行・実現ができないのであれば、いくら企画して意味がありません。

 つまり、プロモ―ションを企画・設計する側も確実に実行できる
部分と将来的にチャンレジしていく部分のバランスを見ながら、
生産性の高いプロモーションを設計していくことも重要なのです。

 実現可能な範囲が判断できれば、今はちょっと難易度が高い
プロモーションだから、2段階にステップを分けて実行するとか、
コール以外のチャネルを活用して、難易度を下げるとかといった工夫が
可能だと思います。

 要は組織として生産性を上げる、結果を出すことにこだわり、
なおかつ、それぞれの組織を中長期的に強化していくためのヒントを
この履歴チェックから得ることが出来るのです。
●パーソナリティが分かる

 さらに、対応しているスタッフのパーソナリティまで感じ取れることが
あります。集中力が高いとか、営業センスがあるとか、合理性を求める
性格だとか、ロジカルな思考を持っている等々・・・。

また、業務内容に悩んでいる・混乱しているとか、今一つ業務にやりがい
を感じられていないなど、気分的な面もズバリ的中することがあります。

 弊社でも、支援しているクライアントの履歴チェック行うことがあり、
履歴から読み取れたことを伝えると、非常にびっくりされます。
一度も会ったことがないのに、まさしくその通りだというのです。
 それくらい、書くという業務は、ありのまま、丸ごと全てを表す
といっても過言ではありません。
 そして、その履歴チェックをすることは、様々な視点での課題が
把握できるため、インサイドセールスの運営スキルそのものがアップ
するという大きな効能があります。

 最初は、大量のテキスト情報を読み込むことにかなりの難色を
示しますが、メリットと天秤にかければその努力は、優にペイする
ことは確かです。

 最近、支援しているクライアントの担当社員の方が、弊社の提案
通り、履歴チェックを実施してくださいました。

 入力ミスの修正から、ヒアリングのポイントまで、まさに模倣から
始まった履歴チェックですが、2週間分の履歴チェックの結果、
今では、こちらが伝えようとすることもすぐ理解でき、現状について
リアリティを持って現場を把握していることがよく分かります。

 今、誰よりも現場を把握している一人に違いありません。

 ゆえに発言にも説得力が増してきましたし、行動も前向きになり、
責任感を帯びた顔つきにもなってきました。

 履歴チェックの効能はこんなところにもあるのです。