【Vol.73】インサイドセールスにおける品質管理とは

メールマガジン

 先日、アマゾンで弊著の「インサイドセールスの実務」のランキングを
見たところ、今年初めからジリジリを順位を上げており、今朝見たところ、「ビジネス・経済 > マーケティング・セールス >セールス・営業」の分野で141位になっていました。

 年初には、264位でしたので、随分とランクアップしたものです。

 こうしたことからも、恐らくここ数年でさらに、営業改革、インサイド
セールスへの関心や具体的な導入が進んでいるのではないかと思います。

 そのような中、最近お問合せとしても多いのが、インサイドセールスを
導入後の課題、ご相談です。

 運用までごぎつけ、フィールドセールス(いわゆる営業)との連携も何
とか軌道に乗りつつある・・・。インサイドセールスとして、顧客との
リレーション構築は当然のこととなり、さらなる成果を期待されるように
なったというものです。

 具体的な例をいいますと、営業とのダブルアカウント体制や、フィールドセールスでカバレッジできていない顧客からの商談化について一貫して
インサイドセールスで行うなど、インサイドセールスへの期待は
営業支援的な役割から、”営業そのもの”へと展開してきているようです。

 そこで、こうした期待に応えるべく、現場では日々、工夫・改善を
行っているわけですが、果たして今行っている対応そのものがこれで良いのかという不安や、そもそもフェイス・トゥ・フェイスやワン・トゥ・ワンのような対応がインサイドセールスできるのかという疑問があるようです。

 実際に実践してきた身として、この不安・疑問に応えるならば、
どちらも「Yes」です。

 どんなに改善・改良を行っても、これでヨシというものはありません。
しかしながら、ある程度の基準を持っていなければ、この不安は解消され
ませんし、組織における評価も曖昧なものになってしまいます。

 また、フェイス・トゥ・フェイスやワン・トゥ・ワンのような対応とは、言い換えれば、よりフィールドセールスに近い対応といえます。そうした対応が求められることは、インサイソセールスでの対応そのものを顧客毎にどう設計し、実践していくのかのがベターなのか、より判断基準も必要になるというわけです。

 インサイドセールスは、マーケティングが発達したアメリカ等では、
マーケティングの手法として位置づけられているようです。その証拠に、
外資系企業からのお問合せは、ほぼマーケティング関連のセクションから
です。一方、日本企業は顧客対応に関することは”営業”と考えるようで、
インサイドセールスの部門をセールス側へ置くことが多いです。

 いずれにせよ、インサイドセールスはマーケティングの要素を多分に
含みつつ、セールスを行っているともいえますし、セールスの要素を
多分に含みつつ、マーケティングを行っているともいえます。

 いずれにせよ、顧客との接点を継続的に行っていくことには変わりなく、徐々にリレーションの構築から商談化へとステージアップしていくものであることは間違いありません。

 そこで、先ほどの課題への解ですが、こうしたハイレベルなインサイド
セールス活動を進める前に、必ず、品質管理基準を設けて、チェックを
することです。

 いわゆる営業の場合、営業マンとしてデビューした後は、現場でどの
ような会話をしているのか、その一つひとつをチェックすることはない
でしょう。営業はあくまで結果をもって評価するという位置づけです。

 ゆえに、いわゆる営業というものが属人的になったり、
ブラックボックス化しやすいのです。

 インサイドセールスの場合、社内に居ながらにして行うため、顧客との
会話を録音した音声データやSFA(※1)やCRM(※2)ソフト等に残した
履歴等から、そのチェックが十分可能です。

 これらデータを使って定期的品質チェックを行うことを強くお勧め
しています。

 チェックするポイントは、以下の3点です。

1. 顧客が言っている事と対応しているスタッフの理解にズレがないか。
2. 電話での内容がSFAなどのログと相違がないか。
3. JOB(※3)で設計した目的に沿ったオペレーションを展開しているか。
 この3点において、問題がなければ、ハイレベルなインサイドセールス、より商談化に近い、アプローチが出来る可能性は高いです。

 また、これらの確認によって、どの程度の対応ができるか判断が付く
はずです。もちろん、人(スタッフ)によって、出来る・出来ないが
あるでしょう。

 当然です。全てのスタッフが等しい才能やスキルではありません。
同様の研修を施しても、同じように育つわけではありません。
これはどこの世界でも共通です。

 また、この品質チェックがそのままスタッフのスキルチェックにもなります。

 この結果、できるスタッフには難易度の高いJOBを、そうでないスタッフにはそうでないJOBという業務とスタッフの力量のバランスを計ることも、インサイドセールスのマネジメントをする側には求められることです。

 つまり、まずはリレーションやサーベイ型の共通的なプロモーションにてきちんと顧客の状況を理解し、ニーズの見極めやタイミングの把握が出来ていれば、セールスの基本ができているともいえるでしょう。

 これに、加えて”訴求”の要素が商談化には必要です。

 訴求する内容は、「各企業の商品戦略や営業戦略+個々の顧客」を踏まえてということになるでしょうが、これらを確実に実行していくには、まずは、セールスの基本ができているかということなのです。

 これがインサイドセールスにおける品質管理であり、インサイドセールスの実務を向上させ、可能性を広げていくことにつながるのです。
                           
【注釈】

 ※1:SFAとは、営業のプロセスや進捗状況を管理し、営業活動を効率化するためのシステム。Sales Force Automationの略。

 ※2:CRとは顧客満足度を向上させるために、顧客との関係を構築する
ことに力点を置く経営手法。Customer Relationship Managementの略

 ※3:インサイドセールスにて行うコールプロモーション。PDRでの表現。