【Vol.75】インサイドセールスの人材が枯渇する日が来る!?

メールマガジン

 インサイドセールスに関するお問い合わせが増加していることは、前回もお伝えいたしましたが、そのお問い合わせ内容にも、変化があります。

 以前は、インサイドセールスという言葉を何かのきっかけで知り、
「もう少し詳しく知りたい」という内容が多かったように記憶しています。

 ところが、最近は、「インサイドセールス業務をアウトソーシング
したいが請け負ってもらえますか?」というものに様変わりしてきました。

 数年前までは、インサイドセールスがどのようなものなのか、その概念や成果や具体的な手法などを知りたいだったのが、今は、インサイドセールスの効果や意義は理解しているので、それを導入したい、活用したいというものです。

これは、インサイドセールスという言葉自体の認知度が向上してきたこと、そしてその効果が容易にイメージできるようになり、一つの手法・仕組みとして確立されつつあると、考えています。

これは大きな変化です。

 また、以前は比較的、大手企業が自社の営業改革という観点で、
インサイドセールスを内製化するというニーズがやや優勢だったように思います。

 最近は、インサイドセールスという組織そのもの、業務そのものをアウトソーシングしたいというニーズが増えて来ています。

 それもそのはず、営業の組織を変革させることや、新たな組織や営業の
スキームを導入し、根付かせることは並大抵のことではありません。
新しい取り組みにコストや人材を掛けられる企業というのは、どうしても
限定的にならざるを得ないでしょう。

 その先行投資をしてきた企業で一定の成果・実績が評価され、ニーズの
広がりを増してきているともいえるかもしれません。

 さらに、テレマーケティング業界におけるサービスの変化や、SFAや
CRMソフトベンダーによるシステムの充実化、そして、メールやWEB
プロモーションの普及・発展なども合わさり、すべてを内製化せずとも実現できる環境が整いつつあるのも事実です。

 その結果、インサイドセールスを実現したい企業の増加と、インサイド
セールス業務のサービスベンダの増加により、需要と供給が一定の規模で
動き出したのだと思います。

 さて、こうなると、今まではさほどでもなかった(?)インサイドセールス市場が大きくなるにつれ、そのうねりも大きくなり、影響が至る所に出てくる可能性があります。

 その最たるものが、インサイドセールス人材の枯渇です。

 アウトソーシングするにせよ、内製化するにせよ、インサイドセールスの実務をするのは人です。その人材の供給が時代の需要に追い付いていかないのでは、と危惧しています。

 実際にコンサルティングをしている現場で感じることは、インサイド
セールスの実務を行う人材も、育成できる人材も圧倒的に少ないということです。

 恐らく、もう間もなく、猫も杓子もインサイドセールスの時代が到来します。

その時には、育成できる人材はおろか、実務を担う人材すら枯渇することが予想されます。
 その理由は、インサイドセールスの急激な広がりによるものだけでは
ありません。

 インサイドセールス=アウトバウンド=営業=押売=嫌な仕事という、
営業に関する負のイメージが根強くあり、募集をしても人が集まりに
難いことがまず挙げられます。

 次に、世代的なコミュニケーション能力の低下です。

 せっかく人材が集まって実務をさせてみると、顧客の声を正しく理解できず、リレーション構築に失敗してしまったり、状況判断がうまくできず、ミスアプローチになったりと、なかなか成果につながらない状況が続き、離職に至るケースがあります。

 以前から様々な分野で指摘されていることですが、今の世代は生身の
会話に弱いです。メールやSNSなど間接的なコミュニケーションツールが当たり前の世代は、リアルの会話のスピード感や曖昧さに不慣れなように思います。

また、人間関係が狭くなりがちで、世代やカルチャーが違う人々との会話に苦労しているように思います。

 多くの顧客と接点を持ち、様々なニーズに対応していくインサイド
セールスは、柔軟性のある、豊かなコミュニケーションスキルが求められ
ますが、以前よりも、このスキルアップを課題視することが多くなってきました。

 さらに、圧倒的に育成する人材が不足している点です。

 もしかしたら、インサイドセールスとは表現していないだけで、それに近い経験やノウハウをお持ちの方は本当はもっといるのかもしれません。

 しかし、一般的な企業よりも潤沢でバラエティに富んだリソースを持っている名だたる企業でさえ、インサイドセールスのノウハウやナレッジについてはほぼ皆無というケースが多いです。

 ですから、インサイドセールスの効果を知り、始めたいと思っても、自社だけでは当然できませんし、本質的な部分を理解した上でアウトソーシングをする、請けられる企業が育っていくにはまだまだ時間が必要だと思っています。

 その結果、インサイドセールスの人材が枯渇する日がやってくるのではないかと思うのです。

 先日、とあるインサイドセールスのアウトソーシングを希望されていたある企業様から、「内製化する意味は何ですか?」と尋ねられました。

 今から、しっかり社内にそのノウハウを蓄積していれば、もし、
このような日がやってきても慌てることはありません。さらに、そのノウハウを生かした新たなサービスや事業展開が可能になると思いますとお伝えしました。

 その真意は、届かなかったようでしたが・・・。

 費用とコストを掛け取り組んでいただいている企業様には、来るべき日に備え、コンサルタントとしてありったけのノウハウを伝えていきたいと思う日々です。