【vol.101】インサイドセールスリテラシー、再び(4)評価リテラシー

メールマガジン

インサイドセールスの鍵を握る5つリテラシーも終盤に差し掛かってきました。シリーズ5回目(序章含む)は、「評価リテラシー」です。

評価リテラシーとは、「評価」+「リテラシー」ですので、「なんらかのカタチで表現された評価に関するものを適切に理解でき、活用することができる」としています。

具体的に言いますと、インサイドセールスの効果が測定できるトレース方法が確立されているかということです。トレース(trace)というといくつかの意味がありますが、ここでは端的に「追跡すること」です。

弊社が考えるインサイドセールスでは、インサイドセールスで創出や醸成されたリードが営業へ渡った後も追跡し、商談化したのか、受注になったのかなどをチェックし、インサイドセールスとしての成果・評価指標としています。

またエスカレーションしたリードが失注やペンディングになった場合も、再びインサイドセールスで醸成するためにインサイドセールスへリードを戻す、いわば、「下りのエスカレーション」という運用があります。単なるトレースに終わらず、さらなる成果につなげるために常に営業との間に様々なルールやフローを確立するよう支援しています。

こうした評価に関するリテラシーは、インサイドセールスのみならずどのような仕組みにおいても重要だと思いますが、今回はインサイドセールスにおける評価とその活用について解説して参ります。

■インサイドセールスにおける評価指標とは

インサイドセールスの効果測定をする場合、まずインサイドセールスの範疇を定めておかなければなりません。MAなども広くはインサイドセールスに含まれるものと考えますが、MAはMAの評価指標(リード獲得数や各種コンバージョン、スコア分析など)があると思います。

もう少し範疇を狭めて、インサイドセールスの評価指標を考えと、実際にインサイドセールス部門がなんらかのリストやリード、あるいは顧客に対してアプローチした結果がその範囲になるでしょう。

さらに狭めて言えば、インサイドセールスのコールやメールなどで直接顧客へアプローチした結果がどうかということになるかと思います。この場合、評価に関するカテゴリーが大きく3つあります。

1)インサイドセールスの生産性そのものの評価

これは、インサイドセールスが年間、月間、1日、あるいは1時間にどれくらいの顧客へアプローチしたかというものです。電話でのアプローチであれば架電数や接続数、有効コンタクト数など目的のヒアリングできたものを評価の指標とします。量的な指標です。

2)インサイドセールスの質的な評価

次はインサイドセールスがどのようなリードを創出または醸成したかという指標です。

最近は、MAなどで獲得し、醸成前のリードをMQL(Marketing Qualified Lead)といい、その後インサイドセールスなどで醸成され一定の案件的要素や確度が含まれ、営業部門(フィールドセールス)へエスカレーションされるようなリード、つまり見込み客をSQL(Sales Qualified Lead)というようです。

以前、いまほどMAが盛んでなかった頃は、インサイドセールスが新規の顧客接点を持つためのアプローチをすることも少なくなかったので、インサイドセールス部門はMQLを創出し、継続したコンタクトや様々なプロモーションによってリード醸成しSQLにレベルアップしていったといえるかと思います。

ですので、MQLやSQLの数や質を評価指標になります。さらにSQLでも、その組織において、営業戦略を連携させて販売したい商材が含まれているか、取引したいユーザー層であるかなども評価に加えることがあります。これらを質的な面で測定するときはポイント制や重量制を導入し、重みづけをすることで評価可能になると思います。

この他質的な面では、マーケットデータとして、アプローチに有効な情報(※プロファイル情報)がどれだけ集まったのか、SQLにならずともそれにつながる一定のゴール(会員登録数、資料送付数)などがどれくらい到達できたのかなども質的な評価になると思います。

※プロファイル情報・・・その組織において、ニーズの判断やポテンシャル、キーマン情報などを判断するための情報。BANT条件などもこれに含む。

さらに、弊社ではインサイドセールスでアプローチする顧客全体を「関係性と商談の可能性」によってステータス分類しているので、このステータスがどう変化しているか、各ステータスの占有率の変化などをインサイドセールスの醸成率という観点で評価しています。

3)インサイドセールスの実質的な評価

多くのインサイドセールスが分業スタイルをとる日本では、最終的なクロージングは営業となります。その場合、インサイドセールスの直接的な評価は先に述べた2つの視点にならざるを得ませんが、組織としてインサイドセールスの実質的評価をみる場合は、やはりどれくらい売上に貢献できたのかということに尽きます。

となると、これは直接販売にかかわらずとも間接的に関与、貢献したということを測定する必要があります。方法としてはインサイドセールスによって創出されたSQLが受注した件数、金額をまず営業部門からフィードバックをもらうか、システムなどでトレースし、月毎や四半期毎に測定します。

また、受注にはならずとも商談金額としてどれくらいが見込めたのかも十分評価に値する結果だと思います。失注した案件(SQL)やペンディングになった案件でも、このままうまくいけばこれくらいの金額が見込めた場合は、見込商談金額も測定します。

整理すると、インサイドセールスによって営業部門へ引き継がれたSQLにおいては、①受注件数 ②受注金額 ③商談件数 ④商談金額(見込)を測定することで、インサイドセールスの貢献度が図れます。

そして、これら3の視点は、インサイドセールスが様々なプロモーションの積み重ねによりリード醸成していくという発想からプロモーション単位で測定すること、インサイドセールス全体の活動として評価すること、また各オペレーションを担当する実務者単位で評価することでそれぞれの評価材料にもなります。

■インサイドセールスにおけるフィードバック

さて、評価指標についてここまで解説しましたが、評価は何のためにするのでしょうか。


その活動に対する傾向と対策を掴むことでしょうか。振り返りをして、改善や修正し活動をよりよいものに変化させていくためでしょうか。さらにはこの活動を継続するべきか否かなどの判断をするためでしょうか。

いずれでもあると思います。評価をするということは、その活動に対する結果ないし今後について語られることであり、それは何らかの形でフィードバックされるべきものです。


また、インサイドセールスが営業部門へ引き継いだSQLをトレースするには、営業部門からのフィードバックが必要です。

インサイドセールス部門内で測定できることも、営業部門からのフィードバックによって評価が可能な指標もいずれにせよ、フィードバックということがキーワードになります。

何をいいたいかというと、評価をするということはフィードバックをするということとイコールであり、このフィードバックをいかに行っていくかがインサイドセールスの成功に大きくかかわっているということです。

インサイドセールス部門内で行う評価によってわかったこと、営業部門からのフィードバックやトレースによってわかったことを次のアクションや組織的な改善にどう組み込むかなくしてインサイドセールスが効果を発揮することはないと思います。

弊社ではインサイドセールスを内製化する企業の支援を長らく行ってきましたが、それぞれのフィードバックがうまく回り始めた頃から成果も大きく変わってくる事実を目の当たりにしています。

最初から評価指標を細かくし過ぎて、活動がしにくくなるのも考えものですが、フィードバックする・される仕組みを必ず組み込んでおくことは外せないポイントです。

■評価リテラシーの高め方

評価というものはインサイドセールスに限らずつきまとうものですが、これを高めるいくつかのポイントをお伝えしてこの回のまとめとしたいと思います。

まず、評価指標(評価する視点・基準、項目)と測定方法を決めることです。そして定期的に測定し、ベンチマーク化していくことです。インサイドセールスは1回のプロモーションやコンタクトで成果が出るというものではないと思っています。もちろん短期的に成果につながる場合も皆無ではないですが、中長期的なスパンでこそ成果につながる仕組みです。

また、一般的にこうだという数字的な指標がまだ少なく、あったとしても自社に合う・合わないなどがあるため、確実に評価していくには各評価結果をベンチマーク化して、比較していくことをおすすめしています。

もし仮に、外にあるデータを活用する場合は、その背景やロジックを読み解かなければなりません。これにはその世界に精通しているなどの高いレベルが求められることがあります。しかし、自社の数字であれば、その背景は既に理解しているはずですから、理解はたやすく、また数字から読み取れることも多いはずです。こうすることで、評価測定のリテラシーも高まっていくと考えています。

さて、次回は本シリーズ「インサイドセールスリテラシー、再び」の最後の回となります。引き続き、ご講読いただければと思います。

-END-